OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

最後まで読む? 読まない?

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長々と時間をかけて読んできた『成城だより』が、ようやく、というか、とうとう終わりそうな感じ。名残惜しい。
大岡昇平76歳までの日記で、彼は3年後に79歳でこの世を去る。死ぬまで書いていて日記そのものが絶筆になるよりはいいが、それでも読みながら大岡昇平の余命を削っていくような感じが哀しい。
このまま残り読まずに置いとこかな。

「読み終わる」のが嫌で、わざと最後まで読まずに置く、ということを、よくやる。
昔コナン・ドイルのホームズ・シリーズにハマった時があって、あまりに面白くて最終巻まで読むのがもったいなく、最後の1巻をわざと読まずにやめた。
・・・まぁ、今となっては別に置いておくほどのものでもないな、という気がするが。

トーベ・ヤンソンのムーミン・シリーズも同じ。『ムーミン谷の十一月』をわざと未読。名作の誉れ高いので、ものすごく読みたいのだが(読めばいいのに)。

杉浦日向子が『百日紅』を最後まで描かずに逝ってしまったことについて、以前別の場所で嘆いたが、未完というのはファンにとって本当に切ないものである。
大岡昇平の本当の絶筆『堺港攘夷始末』(中央文庫)が未完のまま刊行されているが、買うべきか、買わざるべきか。出版社品切れだが、1冊某書店に残ってるの、知ってるんだよなぁ・・・。買っとくべきだろうな。

・・・・・

もともと来日外国人の日記というのは好きでよく読む。モース『日本その日その日』、ハーンの諸作等。
日本人作家の日記ももっと読んでみようかな。
内田百ケンはよく読んだけど、あとは山田風太郎とか武田百合子とか。

(ところで内田ヒャッケンのケンの字は「門構えに月」である。いくら当用漢字でないとはいえ、こんな有名人の名前に使用されている文字は、とっととPCで使用可能にすべきである。ついでと言っちゃ何だがクサナギツヨシのナギとか)


・・・・・

本文とは関係ないが、上のlapalisさんの写真、会心のカットが撮れたと思ったのに右側に妙な現像ムラが・・・・。くそーっ!
あまりブローニーフィルムでヘマした覚えはないんだけどなぁ。
35mmのリールではいまだにヘマやらかしたりしますがね。




  1. 2007/11/28(水) 10:51:55|
  2. 読書狂
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忙しい日々

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今までモノクロのプリントは単号紙ばかり使ってきて、実は多階調のものを一度も使ったことがなかった。
しかし昨今の印画紙の相次ぐディスコンで選択肢が狭まり、じゃあ多階調というものを使ってみるか、ということに。
マルチグレード用フィルターを持っていないので買わなきゃいけないんだけど、さてどこのものを買うべきか。まぁ実際の話、フジとイルフォードしか選択肢はないわけですが。

結局悩んだ末、フジではなくイルフォードのものを購入。理由は、中身はほとんど同じものという情報をさるサイトから得たこと、そして、ヨドバシに枠なしのペラセットがイルフォードのものしかなかったこと、最後に、やっぱりイルフォードの方が箱がかっこいいこと(笑)。

ところが、うちの引き伸ばし機はラッキーの90M-Sなんだけど、フィルターポケットの寸法をちゃんと覚えていかなかったもんだから、イルフォードの小さいサイズのものがちゃんと乗らない。乗らないことはないが、危うい。すぐ落ちそう。

仕方がないので、ペラフィルターに厚紙で枠を付けることにした。
フィルターポケットの方に「受け」を作ってやれば工作は一回で済むし、最初はそうしようと思ったのだけれど、ペラのままだと落としたりなくしたり折ったりしそうなので、多少面倒だけど12枚のフィルター全部に枠を付けることに。

今、仕事が年中で一番忙しい時期で、毎日家へ帰るのが11時を過ぎる。
毎年この時期は忙しいわけで、馬車馬のように働くんだけど、忙しいときほど「仕事だけ」で一日が終わってしまうのが悔しく、なんかより忙しいことをしたくなるんですね。

で、結局夜中の3時半くらいまでフィルター枠を工作で作っていたり。
さすがに眠すぎ。

あと1ヶ月はバカみたいに忙しい日が続きます。すでにバテ気味です。
愚痴っても仕方がない。頑張ろっと。

・・・・・・・

今日になって気がついたこと。
こらイルフォード! 00番のフィルターがなくて、代わりに1番が2枚も入っとるやないかー!
もう切って枠つけてしまったので返品出来ないなぁ。
ま、いいか。00番なんて使わない・・・ことにしよう。


・・・・・・・

大岡昇平のモーツァルト記事を読んで、久しぶりにトスカニーニのモーツァルトをiPodに入れてみる。
iPod nano、2GBの半端な容量のものを買ったことが悔やまれる。すぐに一杯。モーツァルトのためにブリリアント・コーナーズとスミスを消す。
トスカニーニのカミソリ・モーツァルト、5年ぶりくらいに聴く。朝の通勤電車で40番の第1楽章「断罪シーン」(と僕が勝手に名付けている終盤の部分)に震え、帰りの電車でジュピターの爆走第4楽章に歓喜する。
忘れていたなぁ、この快感。
トスカニーニ、Bravo!








  1. 2007/11/25(日) 22:44:33|
  2. 暗室
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ニコンF/プリント同好会?/デジカメの威力

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[EOS-5D/Tamron28-75mmF2.8]

パリちゃんが下げてた三角アタマのニコンFが彼女にとってもよく似合っていたので、ほー、Fもいいなぁ、って。これ

実は僕も1台Fを持っている。昔ある友人が「お父さんが昔使ってたカメラやねん。もう使わへんらしいから、もし良かったら使ってあげて」とくれたもの。FTNファインダー付きのタイプだ。

ただし、モルトが腐っていて底蓋がユルユル。蓋を外すとカウンターが戻る仕掛けなので、ゆるんだ途端にカウンターが戻ったりなんかして、撮影枚数がわからなくなる。
シャッターボタンの先端も外れてなくしてしまって、シャッターボタンの高さを増すための部品を無理矢理つけてごまかしている。ただでさえ押しにくいFのシャッターがこれでさらに数倍押しにくくなった。
先端部を紛失したせいか別の原因かわからないが、たまにシャッターがガコンと引っかかり、せっかくのチャンスを逃したことも何度か。

このFをくれたNちゃんは高校からの友人であり、僕の親友だった男の彼女でもあったのだが、今は二人とも音信不通になってしまった。二人とも元気だろうか。
カメラをコレクションする趣味はないし、所持しているからには使い倒したい。せっかくもらったFだから修理したいのだが、経済的になかなか余裕が出来ず、ほったらかしになっていた。
正直、パリちゃんのFを見るまで半ば忘れていたような次第。不義理だ。
ちゃんと治して使いたいなぁ。

・・・・・・

なぜか僕と同時期に暗室熱が再発したomuとメールで使ってる印画紙の情報交換をしたり、モノクロ研究会のようなノリ。
プリントしだすとどんどんハマちゃって、いろんな印画紙を試したくなる。
昔はあまりそういう探求心はなくひたすら月光のV2とかV3ばかりで焼いてたのに、そういうプリント・クオリティ的なものを追求しだすと、写ってるものが大事なのかプリントの粒子が大事なのかよくわからなくなるので、さていいんだか悪いんだか、という気もする。
でも写真を人に見せるのにプリントに最善を尽くすのは礼儀でもあるから、どっちか、という問題じゃないな。不即不離なものであるし。

・・・・・・

画質、ということを言うならば、いろいろな意見はあるだろうけど、カラー写真に関してはもうデジタルカメラの方が「上」と言い切ってさしつかえないわけで。
解像力とか色抜けとかの座標軸で語るなら、もうフィルムよりデジタルだろうと思う。
上の写真はたまたま仕事の途中で持ってたEOS-5Dで撮った、かなり暗い植え込みの中の猫だが、感度1600まで上げても、こんなシャドウだらけの画で、まったくノイズも気にならない。フィルムでは少なくともISO1600でこんな画は無理だ。

今更当たり前のことに感心するな、と言われそうだが、感度が自在に変えられるって、こんなに便利なものなのかと。フィルムカメラしか持っていなかったら、完全に撮る気も起こさなかったシーンである。
写真では明るめに写っているけど、実際は肉眼でマニュアルフォーカスなんて不可能な暗さ。多少迷いながらも、5コマ切ったうちの4コマまでちゃんとピントが合っていた。EOSのAF、さすがだ。

カラープリントを全部自分でコントロールしたいなら、今のところ僕には(カラー暗室のノウハウがないので)フォトショップでカラー調整→顔料プリント、という手順になる。デジタル・データを作るのにスキャンで得るか、デジカメで得るか、画質を最優先とするならば、もはやデジカメの方がいいに決まっている。

・・・・・・

でも、理屈ではちゃんとわかっていながら僕は「写るか写らないか、ブレるか止まるか、ピントが合うか合わないか・・・そういうギリギリのあわいの部分に写るものが好きなのだ」という、やっかいな性向の持ち主なのである。みなさん御存知の通り(笑)

・・・・・・

だから何だ、って感じの、まとまりのない文章だなー。




  1. 2007/11/22(木) 01:09:12|
  2. カメラ
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植田正治新刊/旧Fotologue時代の写真/など

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求龍堂から植田正治の新刊出てました。『僕のアルバム』2300円+税。
「植田正治の没後発見されたネガの束より編纂した妻を被写体とした1935~1950年代の未発表写真を綴った夫婦愛の軌跡。」(求龍堂HPより)

う~ん。奥さん、かわいいっ!
世界的写真家の専属モデルに向かって畏れ多くも「かわいいっ!」なんて、とは思いつつも、あああ、本当にかわいい。
藤代冥砂や上田義彦等、家族写真の名作、最近花盛りだけど、植田正治はもう別格。
おすすめです。買って損はしません。
てか、まぁ買って損する植田正治写真集なんてないけどね。
僕ですか? もちろん即買い。
買ったあと、財布の中を見たら730円しか残ってなかった。次の給料までまだ1週間近くあるのに。
730円って、40歳男性の財布に入ってる額じゃないな。ああ恥ずかしい。

・・・・・・

ところで求龍堂の植田正治写真集はこの『僕のアルバム』にせよ前の『吹き抜ける風』にせよ、タイトルどうにかならんか、と思う。
いやほんと、どうにかならんかな? つまんない意味付けとか植田正治の写真にはいらないから。植田正治写真集、でいいってば。

・・・・・・

「六十五年間読書にすごせし、わが一生、本の終焉と共に終らんとす。わが青春は『雄弁』時代の終りと接続す、有名人の講演会に行ったことなく、一人にて読書黙思す。現代は再びおしゃべり時代となる。しかし本は思想を活字に固定して、繰返し検討に堪ゆ。あまり悪くない一生を送ったような気がして来た。ふしぎな歓喜の一瞬だった。」
(大岡昇平『成城だより(下)』講談社文芸文庫)

沁みるなぁ。僕は当然大岡昇平ほど読んでないけど、あと(大岡昇平のこの当時の年齢まで)三十三年、同じ感想が吐けるまで頑張ろうと思う。
写真は楽し。読書も楽し。配分が難しい。

大岡昇平、この本の別の場所でグールドの『ゴルトベルク』(82年録音盤)を誉め、グールドは好きでレコード10枚くらいは持っている、と書いていた。
ますます好きだ大岡昇平。たまらん。

・・・・・・

eBayオークションに僕の写真を出してくれているGallery Deep Spaceさんが、販促用のフライヤーを作りましょうというので、載せる写真を選ぶためにここ数年のうちに撮った写真をざっと見返してみた。
2005~2006年の、旧Fotologue時代の写真を見て、ため息。
自分で言うのも何だが、もうびっくりするような集中力で写真を撮っている。凄い!
凄い、なんていうと傲慢に聞こえるだろうが、まぁ僕の写真が、という意味ではなくて、写真に向かう姿勢が、ということ。
こんなテンションで写真に向かい合うなんて、もう出来ないんじゃないか。
ヒナコが生まれたり、生活上大きな変化があったから、と言い訳するのではないが、今はこんな凄まじい没入の仕方はできない。
もちろん、こんな没入の仕方ばかりがいいわけじゃない。多分この頃は今みたいに本読んだりもしてないだろうし、あんな没入ぶりだとかえって見えなかったこともあっただろう。

でも、あんな熱意で写真に関わるなんて、最近Fotologueの悪口ばかり書いてたけど、やっぱりFotologueがきっかけだったんだから、お礼を言わなきゃいかんな、と思う。


Book of Days 2005
Book of Days 2006
Book of Monochrome

  1. 2007/11/19(月) 01:15:17|
  2. 日々
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忙しいときには余計に

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仕事多忙。ま、シーズンだから当たり前だが。
忙しい時期にはいつも余計に何かやりたくなる。睡眠時間よりも何よりも、自由になる時間が欲しいざます。
というわけで、残業して帰ってきて、めし食うのもそこそこに、暗室に入るざます。
でも二種類だけ焼いたらもう夜中の一時半。おおお。

一週間くらいぶっ続けで、倒れるまで写真プリントしたいざます。

・・・・・・

しかしアレですね。僕のネガって、本当に焼きにくい。
長い間ずっとネガ撮影、スキャン、デジプリント、という手順でやってきたので、僕のネガは総じて濃いのです。撮影時も1段以上はオーバー露光。
スキャンを前提とするならば、ネガは濃い方がいいんです。シャドウ部に情報が多い方が綺麗にスキャンできます。

でも銀塩で焼くにはちょっと濃すぎ。
このオーバー露光の癖を治さないと駄目だなぁ。銀塩ペーパーでプリントするなら、絶対に「適性露出」がやりやすい。特に最近眠めのプリントが好きなんですが、僕の濃いネガから「眠め」なんて至難の技。

これからカラーネガは今まで通りオーバー目に、モノクロ入れたときは「適正」で・・・なんて、そんな器用なことできるかなぁ。

・・・・・・

久々にtumblr更新してます。


  1. 2007/11/16(金) 01:26:22|
  2. 写真
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『町猫』終了しました

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ギャラリーmaggot『町猫』終了いたしました。ご来場下さった方々、本当にありがとうございました。
来年もやるなら参加しますよ『町猫2』。
それまでにまた爪研いでおかないと。

出展作をフリッカーのsetにしました。
2007.10.30-11.11『町猫』

・・・・・・

次の展示は2008年2月5-10日 大阪ナダールでの「写真機と写真」展[後篇]です。
カマウチといえば何のカメラを思い起こします? やっぱり落として修理に10万円かかったライカ?(泣笑)
自分ではブロニカS2が、やっぱり一番僕らしいカメラかな、と思っているのですが。
この写真展でも「ゼンザブロニカS2」でいくつもりです。乞うご期待。


  1. 2007/11/12(月) 00:54:37|
  2. 展示
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文章の長い男

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仕事が非常に忙しい時期なので(こんな時期に「町猫」までやってるし)、行き帰りの電車の中は本を読みたいんだけど、つい寝てしまいがち。
というわけでまだ大岡昇平『成城だより』の上巻を読んでます。大岡昇平の1980年頃の日記ですが、「スペース省略のため」文語調で書いてあるので、字数以上の質量があるのです。そうか。文語で書いたら字数を詰められるのか。僕もこのブログ、文語で書いたら「文章長すぎ!」とか言われずにすむかな。

試しに上の段落を文語調で書いてみる。

仕事多忙の時期なりて更に「町猫」にまで参加しける、電車の行き帰りに本読みたけれどついうたた寝しがちにて、未だ大岡昇平『成城だより』上巻読みおり。大岡の1980年の日記なれど、面積節約すべく文語調で書かるるため字数以上に質量あり。成程、文語で綴りたれば字数省略可能なるか。我もこのブログ文語使用すれば「文章長すぎ!」の誹り免るるや。

・・・5分の4くらいにしかならないな(笑)
いちいちワープロの変換が引っかかるから時間がかかってしまうし。

今年の5月、ルデコにジョゼ&タピたちの写真展を見に行ったときに、会場でジョゼと僕が座り込んで話していたら、ある女性のお客さんが目をうるうるさせながら近づいてきて
「ジョゼさんですよね!」
「はい」
「うわぁ、本物だぁ~(涙目)」
ええ、ええ。わかりますよ。僕もジョゼ&タピの写真の大ファンですし。初めて会ったときは僕も感激したものです。
その女性、ひとしきり本物のジョゼに会えた感激をかみしめたあと、隣にいた僕を見て
「もしかしてカマウチさん?」
「はい、そうですが(お、俺もけっこう有名人)」
「うわぁ、あの、文章の長いカマウチさん」
「・・・・・」
おいおい。僕の第一の特徴は「文章が長い」ですか。ああそうですか。まぁいいけど。

そんな話はどうでもいいのだった。
大岡昇平の日記ですが、当時70歳を越えて、心臓を病んでいるせいで出歩くのもままならず、しかし凄まじい好奇心で次から次から話題が移り変わる。作曲をたしなみ数学を学び『じゃりン子チエ』で笑いYMOを聴き、何が面白いと言ってその好奇心の有り様が面白すぎる。
こういう爺さんになるためにはどうしたらいいんだろう。まだ40歳だが、油断してたら30年なんかあっという間だ。人生って忙しいな、ほんと。

・・・・・・

大岡昇平が井上靖の『蒼き狼』を批判した文章は入手したが(『歴史小説の問題』)、同じ『群像』誌上で書かれたらしい海音寺潮五郎批判はまだ読めず。
しかしこの日記中に、自分の『平将門』が「呑気な擬考証家・海音寺潮五郎」への反論として書かれたとの記述を発見。やっぱりね。
ますます読みたいぞ『群像』誌上の大岡・海音寺の論争。どこか図書館にないかなぁ。
海音寺氏のことを「呑気」と両断することに、つい笑ってしまう。僕も『悪人列伝』の「高橋お伝」の回を読んでいて同じ印象を持った。そう、たまーに、こういう呑気な部分が顔を出すんですよね、海音寺潮五郎。好きだけど。
誰かは「牧歌的」と揶揄していたな。これにも笑えた。

・・・・・・

この『成城だより』の大岡昇平は相当に丸くなっているが、井上靖を攻撃していた頃の文章は、本当に厳しい。僕は『蒼き狼』も嫌いじゃないし『楼蘭』や『敦煌』も大好きだから、『歴史小説の問題』の大岡昇平は、ちょっとやりすぎじゃないの、と思ってしまった。この調子で海音寺潮五郎もやりこめられてるんだろうな。可哀想に。

しかし、このとことん食いついて舌鋒を緩めないこの論客ぶり、今誰かいるだろうか。小谷野敦? 彼は共感者少なそうだけど(笑) 斎藤美奈子? 最近彼女も丸くなってきたという噂。また読んでみよう。




  1. 2007/11/09(金) 01:20:38|
  2. 読書狂
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40歳だし

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( ↑ Nikon New FM2 / Cosina Ultron 40mm F2)

コシナからまた面白そうなレンズが出ますね。
ウルトロン40/2の新型。
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/lens/2007/11/02/7343.html
前にぼーず君から旧タイプのウルトロン40/2を借りて使ったことがあるんですが、とても素直な写りで好感触でした。今回のも多分光学系は一緒かな。でもフードに着けられるクローズアップレンズ、というのが面白いです。
5万円かぁ。もう売る機材もないしなぁ。買えないなぁ・・・。

最近はまたニコンF2に50/1.2という組み合わせばかり。でも50mmレンズばっかり覗いてると、ちょっと閉塞感がつのるので、たまに少し広い画角が欲しくなる。
で、ライカにウルトロン35/1.7というセットも一緒にカバンにつっこんでるんですが、35mmは僕の常用には、ちょっと広すぎるんです。
ブロニカの75mmという画角が、僕には生理的に一番ピシッと来るんだけど、これは35ミリの対角線換算では43mmくらいの計算。

ペンタックスが出してる43ミリという画角のレンズがいいとこ衝いてきますよね。でもペンタKマウントのカメラ持ってないしなぁ。
ニコンから出てる45mmパンケーキレンズは開放値が2.8。単焦点で2.8なんて興味なし。やっぱりf2よりは明るくないと。僕は夜に写真を撮ることが多いので、2.8でもキツいんです。

となると、やっぱり魅力のこのコシナ。
高梨豊だったか、焦点距離=年齢説とかいうのがあって、二十歳の若者は20mmの視角を持っているが、年とともに狭まってきて50歳で50mmに到達するという。
40mmという画角はこの説に従えば、僕の視角に合ってるというわけ。

まぁ、薄型の新製品じゃなくても、旧型でいいんですがね。
というわけで、ぼーず君、飽きたら連絡するように。1万円で買い取ります(せこい)。

・・・・・

「町猫」開催中。次の在廊は11/6(火)の夜の予定。


  1. 2007/11/04(日) 07:00:11|
  2. カメラ
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坂本かめいち、じゃなくて一亀

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坂本龍一の父親は坂本一亀(かずき)という河出書房の編集者で、構想社という出版社の社長になった人物である。高校生の頃、『新編久坂葉子作品集』の奥付に彼の名を発見して喜んだ覚えがあるが、当時YMO専門誌(!)の『サウンドール』(学研)投書欄に「坂本龍一の父親は坂本亀一(かめいち!)というそうだ」と、わざとか本気かわからないデマが載り、大いに笑ったものだった。

この坂本一亀氏は、純文学の世界では「伝説」とまで言われた名編集者なのだそうだが、どう伝説なのかは詳しくは知らない。とにかくその世界では有名な人物のようだ。

今、大岡昇平の『成城だより』をだらだら読んでいるのだが、この本は当時71歳の大岡昇平が1980年『文学界』に連載した日記で、少女漫画を真面目に読んだり、ニューミュージックを批評的に聴いたりと、自称するように「新しい物好き」の面目躍如、非常に面白い。
いきなり「最近イエロー・マジック・オーケストラなるグループ、東京を席捲しつつあり」「ポップの如き音の豊かさなけれども、透明を目指して、ふしぎなリズムと旋律あり、寄席芸的機知あり」なんて文面に出くわすと嬉しくなる。
新しい音楽に出会って、出入りの編集者に「今こんなのが流行ってるんだが知ってるか」と言うと、その編集者に「キーボードを弾いてる坂本龍一という人は、僕の先輩の坂本一亀氏のご子息ですよ」と聞かされ、「『げっ』と驚くのはこっちなり」(笑)。

僕らは当然坂本龍一を先に知り、あとから彼の父親が「野間宏『真空地帯』、椎名麟三『赤い孤独者』、三島由紀夫『仮面の告白』、島尾敏雄『贋学生』、高橋和巳『悲の器』など戦後文学の名作を次々と手がけ、純文学編集者として一世を風靡」(ウィキペディアより)した人物であることを知って驚くわけだが、大岡昇平の世代からすると逆になるわけか。

1980年時点で「坂本一亀氏の息子さん」として大岡昇平からほほえましく見られている坂本龍一も今や55歳である。大岡昇平が死んで19年。ううむ。

・・・・・・・

仕事が忙しくてなかなか僕自身行けないのだけれど、ギャラリーmaggotで『町猫』開催中です。明日、じゃないや、もう今日か。11月3日、夜にちょっとだけ在廊する予定です。
個人的にはMUZU さんという人の猫が、すごく好きです。
かっこいいです。
あ、僕のもかっこいいよ。暗いけど(笑)
「決してあなたを癒しません!」なんて過激に煽った割には、「癒さない」のは僕だけ、という気もする。全体としてけっこう癒し系・・・癒し系、なんて言葉は使いたくないな。何ていうか、のどかな感じの展示かも。
そんな中で猫の死体の写真とか出してる僕。
空気読めてない? え、そう? そりゃごめんなさい。しかも玄関入ってすぐが僕の写真なんだが。

・・・・・・・

メッセージの中に「いつもブログ見てます」と書いて下さった方あり。嬉しいです。最近コメント少ないので(寂)こっちにもじゃんじゃん書き込みしてくださればなお嬉しいですが。


  1. 2007/11/03(土) 00:45:59|
  2. 読書狂
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戦力外通告!?

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職場の業務用顔料プリンターが僕の消耗品管理ミスで(笑)数日間使えなくなってしまったので、久々にホコリを被っていた(比喩ではなく、文字通りホコリだらけだった)PM-4000pxを使おうとしたら、なんと、インテルMacでちゃんと使えないことが判明! げぇぇぇっ! エプソン、この名機を斬り捨てるのか???

ドライバはインストールできる(インテルMacでは使用できません、等の警告も出ず)んだけど、印刷設定の項目は減ってるし、ICCプロファイルを乗せて刷ってもデータとは似ても似つかぬ真っ赤っ赤の人物が刷られて出てくる。

PM-4000pxといえば、インクジェット界の英雄ですよ。ジンギスカンですよ。はじめてラボ機以外で作品品質の画像を得ることに成功した、もう4000という品番を永久欠番にしてもいいくらいの名機ですよ。藤村富美男ですよ。村田兆司ですよ。え? 村田は永久欠番じゃない? ああそうですか。

職場でPM-4000pxがホコリを被っていたのは、品質的に問題があるからではなく、あとから導入した業務用プリンター(エプソン・クリスタリオ)の方が印刷スピードが4倍近く早いから、という、それだけの理由である。正直、画質はPM-4000pxの方が良い。

クリスタリオはPX-5000系のインクからグロスオプティマイザを外した構成で、インク的には進化しているはずなのに、解像感、黒の締まり等、旧インクのはずのPM-4000pxの方が明らかに上なのである。
ただ、A3ノビを1枚出力するのに40分かかるという、そこだけが問題で、仕事の効率上 1枚10分強のクリスタリオに主役の座を譲ってしまっていた。

自宅ではもちろんPM-4000pxは不動の四番バッターなんだけど(って、四番も何も、1台しかないけどね)、職場では名選手なのに出場機会を与えられず。「桧山」という名前がつけられていた。
レギュラーの故障(壊れたのではない。僕がインクの備蓄を怠っていただけ)で、久々に代打の機会を与えられた桧山、もといPM-4000px。いやぁ、いい仕事をしました(Mac proで動かせなかったので古いMac G3を引っ張り出してきて使ったんですが)。
この名選手が、任意引退扱い? 嘘だろう?

去年から今年にかけて僕は9回のグループ展に参加しています。9回、自分でもびっくり。

2006.1  『7』展 (渋谷ルデコ6)
2006.2 『ポートレート展』(大阪ナダール)
2006.2  静岡プッシュピン・ギャラリー
2006.10 『OSAKASEVEN』(フジハラビル)
2006.11 『カンテ・マガジン展』(中津カンテG)
2007.1 『撮られたら撮りかえせ!』(大阪ナダール)
2007.3 『ポートレート展vol.2』(大阪ナダール)
2007.5 『books展』(ギャラリー・アビィ)
2007.10-11 『町猫』(ギャラリーmaggot)

今回の『町猫』は銀塩も使っていますが、過去8回の展示は、すべてPM-4000pxでのプリントです。『books展』は自家製本の写真集の展示ですが、これを刷ったのもPM-4000px。
写真の内容はともかく、いつもプリントの質だけは誉めてもらえます。『7』展のモノクロや『カンテマガジン展』のカラーなど、自分でもプリントの質として大満足しています。

それが、戦力外通告。エプソン、あんた、血も涙もねぇな。おい。
ちゃんと新しいドライバ出せよー!
まぁ、僕の家にあるのはG5iMacだし、自宅にインテルMac買うような経済力はないし、しばらく何の問題もないのですが。
それにしても。

・・・・・・

ギャラリーmaggotで『町猫』開催中です。
http://gallery.maggot-p.com/





  1. 2007/11/01(木) 06:50:37|
  2. 写真
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