OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

ベタ焼き

05.jpg
04.jpg
03.jpg


過去三ヶ月分のモノクロネガのベタをとる。
2時間で数十本。
ほ、干し場がない・・・。

・・・・・・

根本敬『人生解毒波止場』読了。
すぐさま、同じ根本敬『因果鉄道の旅』も7&Yに注文。
しっかりハマっちゃってるやん。嗚呼。

・・・・・

岩波新書、斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』読んでいる。
斎藤美奈子が岩波新書?? しかも冠婚葬祭?
なんかいつもよりちょっとユルいけど、岩波新書向けの、ある種の猫カブリか?

スポンサーサイト
  1. 2008/01/30(水) 02:09:49|
  2. 読書狂
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

戦利品

2220943038_26b4caa30a.jpg


職場の大引越しが始まった。
暗室を潰すついでに作業室の壁をブチ抜いてワンフロアにしてしまおうという計画である。
職場から暗室が消えるのは寂しい。営業写真館ですらもう暗室が必要ない時代なのだ。

僕が入社した頃(14年前)は証明写真(モノクロ)も全部暗室で焼いていた。
入社1年目の僕の仕事は、4×5のフィルムを全暗の暗室で半分に切って証明写真用のシートフィルムを作ること、それを専用のホルダーに詰めること、撮影後のフィルムを現像機に流すこと、その現像機の濃度テストを毎日すること、だった。

何ヶ月かたつと証明写真のプリントを覚え始めた。最初は助手から。
テストもせずにネガを見ただけで露光秒数を決め、美しいスキントーンを作るAさんの仕事に惚れ惚れし、盗もうとするが、セーフライト下で濃度を判断することすらままならない。
テストプリントをしては暗室外に出て濃度チェックをする僕に、「こんなもん、いちいち外へ出んでもわかるやろが」とAさんは怒ったが、あれから14年たっても、セーフライトだけで濃度や調子を判断することなんて僕には出来ない。

暗室にはAさん(僕より十数歳上)と、もう一人、主(ヌシ)のようなSさんがいる。僕が入ったころで六十代半ば。今はとうとう八十歳。現役のカメラマンで、学校の修学旅行の仕事にもひとシーズンに何回も出かけていくツワモノだったが、去年、大病をしてめっきり弱々しくなった。フィルム撮影(学校関係の仕事ではまだ半分フィルムである)した分のベタ焼きを暗室で焼いてくれるのだが、体調思わしくなく、証明写真が全部デジタル化している(とっくに)こともあり、とうとう暗室撤去ということになった。

証明写真を暗室で焼いていた頃は、仕事が終わってから夜、暗室を借りて自分の写真を焼いた。自分用のゲッコールのタンクを置いていた。
引き伸ばしレンズを交換したりして、元の場所に戻し忘れたときには、翌朝Sさんのカミナリが落ちた。
今では怖かったSさんもすっかり好々爺になり、最近入った若いスタッフに「昔はSさん怖かったんやで」と言っても信じてもらえないのだが。

暗室がなくなるのも時代の趨勢。Sさんの体調のこともあるし、Aさんも数年前にすでに会社を去っている。仕方がない。
社員四十数名の中で、自分でモノクロプリントをしている人間自体、僕の知る限り、僕一人である。

・・・と、いうことは、廃棄する暗室備品、全部僕が貰い放題、ということだ(笑)

今後使うかどうかもわからない135mmの引き伸ばしレンズ(4×5用)とかも、一応戴いておこう。
バットも半切のものを何枚か。ホーローのバットなんか売ってるの見たことないなぁ。
ステンレスのメスカップ、買うと高いんだぞー。
印画紙も、使用期限内のものはありがたく頂戴する。まぁ、RCペーパーばっかりなので、ベタ焼き用にしようかと思っている。

しかし何と言っても戦利品はピークのフォーカススコープ! 
昔はLPLとかの安物を使っていたんだけど、ナダール仲間のハチさんにピークのものを借りてから、余りの見やすさに「うう、もうLPLには戻れない・・・借りているこのピークを借りパチする方法はないものか。ハチさん、忘れないかな・・・」などと不埒なことを考えていた矢先だった。
不埒な僕でも神様は助けてくださる。
ハチさん、ちゃんとお返ししますからね(ははは)。

いろいろ貰って帰るのはいいが、自宅の狭い暗室(3畳)に、ちゃんと収まるんだろうか。ちょっと不安。






  1. 2008/01/28(月) 20:17:46|
  2. 暗室
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

web写真展(笑)

080127wip02.jpg


5月に東京で開催するはずだった写真展が、諸般の事情により中止になりました。
東京で会いましょう、とか言ってた方々、残念ですが、そういう次第です。

せっかく写真展用にプールしていた写真があるので、Flickrに順次アップしていきます。
毎日数点づつ。
web写真展、みたいな感じでご覧いただければ、と。

Flickr Top
http://www.flickr.com/photos/kamauchi/

New Set "OK,Darling, But What is Photograph?"
http://www.flickr.com/photos/kamauchi/sets/72157603796096938/



  1. 2008/01/27(日) 00:52:25|
  2. 写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

其風画白、その後

nemoto080123.jpg


其風画白を新世界より連れ去った男、として怨んできた根本敬ですが、彼の本も読まずに一方的に怨嗟の的にするのも公平ではないと思い、其風画白のことが語られている『人生解毒波止場』(洋泉社 1995)を購入。

知らなかった事実が満載。
まず、あれ以来、どうやら其風画白は自力で新世界に舞い戻ったらしい、ということ。其風画白の妻(やっぱりあのオバサンは「妻」だったのか・・・)の証言として紹介されていた。ただし根本氏はあれ以来直接画白には会っていない。
その後警察情報で、画白が路上で倒れ、病院に収容されたが、どこの病院かは不明、というところで記述は終わっている。
読んで最初の感想は「ホンマかいな」だったが、根本氏は良くも悪くも体裁を繕うようなキャラではない、と納得することにした(一応)。

時期的に考えると、僕が恵美須町で雑誌を売る画白を見かけたのが夏の終わり頃だったので、そのすぐ後に根本氏は画白を拉致したようだ。

ところで、根本氏は其風画白を「そふうがはく」と読んでいる。僕には「そうふうがはく」と名乗ったのだが。「其」を「そう」と読むかなぁ、と疑問に思ったことを覚えているので間違いない。
どっちなんだろう。

・・・・・・

悔しいが、ひとつ告白しなければなるまい。

この本、・・・けっこう面白い。

ああ、やっぱりなぁ。
そりゃそうだよなぁ。
其風画白に展覧会を開かせよう、って考える人だもんなぁ。
そりゃ面白いよなぁ。

悔しいから、一つだけ負け惜しみを言わせてもらう。

うちにある画白の絵の方が、この本に載ってる画白の絵より数等凄い!

どーだ、参ったかっ!



  1. 2008/01/23(水) 00:26:09|
  2. 読書狂
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

外堀が埋まってきた?

080120chari.jpg


シュレ子が「ヨドバシにスポッティングの染料買いに行ったら、筆は売ってるのに染料は生産中止っていうんですよー。信じられへん。カマさん手に入りませんか」と困っているので、そんなわけはないだろう、とナニワの卸部に問い合わせてみたが、やっぱりコダックのものも、レタッチ・メソッズ社のものも、両方もうないという。

いくらデジタルプリントがすでに主流とはいえ、銀塩プリントが滅んだわけじゃなし、せめてコダックくらい作り続けてくれなきゃ。本当に困る。
これからみんな何で銀塩プリントのスポッティングするんでしょう? 昔みたいに墨汁? 今さら墨汁は嫌だなぁ。
僕も自分のレタッチ・メソッズ社のものをちょうど使い切ったところだったので、さてどうしようかと途方に暮れる。

あ、ちなみにスポッティングとはネガ上のホコリが引き伸ばしで印画紙に写ってしまったのを、筆と染料(昔は墨汁)で穴埋めする作業のこと。デジタルなら修復ツールやスタンプツールで簡単だけど、銀塩プリントは細筆で丹念に埋めていくしかない。

修整用染料の他に代用になるものははないかと、まずは製図用インクで実験してみる。しかし印画紙表面にポツンと乗ったまま、なかなか染みこんでくれない。そのままの濃度では染みこまず、薄めたら薄めたで力不足。
染料を梅皿の上で乾かして固状にしてから水を適量加えて濃度調節、というのが慣れた方法なんだけど、製図用インクは一度乾かすと、水でちゃんと均一に戻ってくれない。使えなくはないが、ちょっと難しい。顔料だからなぁ。
細い丸ペンか何かを使って点描してみるか。濃淡調節が難しそう・・・。

と、悩むうち、ナニワから朗報が。「近代インターナショナルが発売しているものが1種類だけ残ってました」とのこと。
1ビン45ml入りで3500円もするけど、背に腹は変えられない。とりあえずシュレ子と半分わけすることにした。
22.5mlで1750円? 余計に高く感じるのは何故だ(笑)

・・・・・・

印画紙や薬品の種類が減ったり値段が上がったり、こういう地味だけど必要なアイテムが秘かに廃番になっていたり、じわじわ外堀を埋められつつある銀塩プリント。
僕の職場からも、来月とうとう暗室が消えます。フジの6×9の伸ばし機とかあるんだけど、廃棄かな。もったいない。うちはラッキーがあるからもう置けないし。

型番を調べようとフジのHPを見たら、なんと引伸し機も全機種生産完了だって。思ってるより堀が埋まるスピードは速いぞ。

・・・・・・

暗室の主、Sさんから記念に? フジの引き伸ばしレンズ90mmと105mmをもらう。
いよいよ取り壊しになったらステンレスのメスカップとか半切のバットとかももらって帰ろっと。 

営業写真館から暗室が消えるとは。
すでに新聞社にすら暗室のない時代だ。しかたないな。

・・・・・・

[追記]
フジの引伸し機は全機種LPLのOEMなんだそうな。
本家LPLはまだ生産してるし、ラッキーも機種を減らしたもののまだ残ってる。
頑張っていただきたい。





  1. 2008/01/20(日) 00:28:19|
  2. 暗室
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

軟弱な私/今月の新刊/ブロニカとカマウチ

080117yajirushi.jpg


根本敬、阿呆! などと書いておきながら、その根本敬が其風画白をどういう風に描いてるのか、実は気になるカマウチである。
ついセブン&ワイに『人生解毒波止場』(洋泉社)を注文してしまった。
軟弱カマウチめ。
どうしよう、ファンになったりしたら。

・・・・・・

斎藤美奈子『文章読本さん江』を読了。
僕はつい最近この『文章読本さん江』を単行本で買ったのだが、数日前ジュンク堂に行ったら、ちくま文庫今月の新刊『文章読本さん江』・・・わちゃー。文庫出たばっかりだよ。しかも文庫化に当たって加筆あり、と書いてある。
僕は文庫でも単行本でも読めりゃいいんだけど、値段のことはさておくとしても、加筆ありの文庫が出てるのに、知らずに単行本を買ったというのが、なんか悔しい。
くそー、今度本屋で加筆部分全部読んでやる。ふんっ。

今は同じく斎藤美奈子『麗しき男性誌』(文春文庫)を読んでいる。
面白いけど、2002年あたりの連載ものなので多少情報古し。『ブルータス』に対する揶揄が空転しててみっともない。
斎藤美奈子、基本的に好きなんだけど、たまーにこういう暴走があるからなぁ。批判のための批判、みたいな。

・・・・・・

2月5日(火)~10日(日)、大阪ナダールで『写真機と写真』展(後篇)に参加します。
ああいう写真ギャラリーではカメラのことを語るのが何か気恥ずかしいというか、写真の良し悪しに写真機の種類など何の関係もないという風に暗黙の合意があるのですが、そこをあえて、写真機と写真について改めて考えてみようという企画展です。
どのカメラを選ぼうか悩んだんですが、まぁカマウチといえばブロニカだろう、という意見が多そうなので(調査したわけではない)、ブロニカS2にしました。
ブロニカS2の特徴とは?

(1)標準レンズであるニッコール75/2.8が素晴らしく良い。
(2)なんでやねん、というくらい音がデカい。

だと思うのですが、この二つの特徴を語れるような写真を出す予定。
お時間ございましたらお立ち寄り下さい。






  1. 2008/01/17(木) 01:23:45|
  2. 読書狂
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

其風画白、続き

sofugahaku080113.jpg


描いてもらった記念に写した写真。
ストロボ直射、其風画白まばたき。
今、写真を生業とする身として、いくら過去の、写真を始めて間もない頃のものとはいえ、ここに出すのをためらう出来の写真だが、貴重な資料かもしれないので恥を忍んで出す。

なんで1コマしか撮らんのかな。あほやなぁ。26歳のカマウチよ。
画白を前にして緊張してたんかなぁ。
今ならフィルム1本くらい撮るけどねー。

ライオンと相方の似顔は、サインをしてもらうためにわざわざ家からもう一度持って行ったようだ。右にあるのは見本に渡したシヴァ神の絵。

  1. 2008/01/13(日) 02:15:10|
  2. 写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

其風画白

sign080112.jpg


地下鉄御堂筋線・動物園前駅で降り、山王交差点脇の出口からJR関西本線をくぐって浪速警察署・新世界交番へ抜けるガード下。そこにいつも彼はいた。

彼は、というのは正確ではない。彼らは、である。
彼の周りにはいつも一人ないし二人の取り巻き? がいる。ほとんど必ずいるのは痩せた、目の細い五十か六十のおばさんと呼ぶべきか婆さんというべきか悩むあたりの女性で、彼の隣にしゃがみ込んではハイライトをふかしている。もう一人、釣り師のような帽子を被っていたオッサン。この人もよく彼の隣に座ってワンカップを飲んでいた。

「彼」の名は其風画白。そうふうがはく、と読む。
彼に描いてもらった絵の裏に署名をせがむと、彼は金色の色鉛筆で達者に其風画白と署名をし、何と読むのか聞くと「そうふうがはく」と自分で答えた。その時はじめて彼の声を聞いた。それまでは画代はいくらか、いつまでに描いてくれるか、という交渉を、全部となりに座っているオバサンが仕切っていたのだ。
何でも描くよ。このスケッチブックの大きさで三千円。一週間かかるけどええかな? 兄ちゃん前にも絵ぇ買うてくれたから、二千五百円でええわ。
其風画白はその値段交渉の際にも薄目を開けただけの、寝ているのか起きているのかわからんような顔をしてニタニタしているだけだった。

新世界交番の前のガード下で、其風画白はいつも数十本のポスターカラーのビンと、自分が描いた数十枚の絵を広げた真ん中に座り、「似顔絵カラー、黒とも五百円」との墨書を掲げて絵を描いている。
誰かをモデルに似顔絵を描いているところはあまり見ない。実はうちの相方が描いてもらったことがるので知っているのだが、正直、彼は誰を描いても同じような顔になる。しかしそんなことはどうでもいい。似顔以外にも、様々なものが描かれた、彼の周りに所狭しと並べられた画用紙群。その世界は圧巻である。

嫌でも飛び込んでくる青、青、青、金、金、金。

通天閣あり、天王寺動物園の動物あり、人物あり。しかしそのどの絵も、大半が青と金、この二色に占められている。彼の周囲に並んだポスターカラーのビンの大群も、三分の一が青、三分の一が金、その他の色が三分の一、といった具合。

筆致は、まさに奔放。
奔放も極まると型にはまる、とでもいうか(笑)、似顔を描いても動物園のライオンを描いても同じような顔になるのだが、しかしそれは本当に奔放・豪快にしてゴージャスなのである。凄いのである。

lion080112.jpg
kazu080112.jpg


最初に買ったのはライオンだった。
次は相方が似顔を描いてもらったんだったか(上図 笑)
こうやって何点か買ううち(並べられている、すでに描き上がった絵は五百円で買えた)、この人の筆致で、この色遣いで、インドのシヴァ神の絵を描いてもらったらどんなに凄いだろう、と考えた。

隣にいるオバサン相手に交渉をする。
描いて欲しい画題があるんだけど、注文制作は可能なのか、と。
注文制作は高いよ。時間ももらうよ、とオバサン。
高いっていくら? 時間ってどれくらい?
それに対する答えが、さっき書いた「三千円、まけて二千五百円、一週間」である。二千五百円で彼のシヴァ神が見れるなら安いもんではないか!

彼がシヴァ神なんて知ってるかどうかわからなかったので、翌日見本を届けた。インド神話の本からカラーコピーした画像。こんな神様だけど描けますか?
其風画白は答える。
「ああ」

約束の一週間をすぎ、喜び勇んで新世界に向かった。
想像以上の出来映えで、シヴァ神はそこにいた。神々しいまでの出来だった。
礼を言い約束の金額を払うとオバサンは「おおきに」と受け取り、すぐにどこかへ走って行った。
その日はもう一人の取り巻きであるオジサンもいたので、無口な其風画白に代わって講釈を垂れてくれる。
曰く、この人はこんなガード下で安い絵を描いてるような人ではない。こんなイカレタみたいなおっさんやけど、ほんまに才能あると思うんや。世が世なら天才画伯と呼ばれて立派な美術館で展覧会できるくらいの才能なんや。せやけど世の中がアホばっかりやから、この凄さに誰も気ぃつかへんのや。兄ちゃんは偉いな。若いのに絵がわかるんやな。

立派な美術館で展覧会をするべきかどうかはさておき、タダモノではないことくらい若い僕でもわかる。
とりあえず署名をもらうことにした。
其風画白。
画白って・・・・正しくは画伯、か。どっちでもいいが自分で言うか(笑)いや、凄い画伯であることに間違いはないんだが。
其風を「そうふう」と読めるかどうかも怪しいが、ただ一つ言えることは、その筆跡が輝かしく立派だったことである。決して金色の色鉛筆だったからではない(冒頭写真参照)。

そのうちオバサンは息を切らせて帰ってきた。手にはワンカップ大関が数本とハイライトの箱がひとつかみ。僕が払った二千五百円で買ったようだ。
それを、当然のようにオバサンとオジサンが適当に分けて取り、其風画白にもワンカップとハイライト数個が手渡される。
オバサンの役回りは注文交渉として、オジサンはさっきの講釈の駄賃なのか?
其風画白、いいの?
彼は笑っているだけだった。

その後、ジャンジャン横丁の整備だとか言って、画白はガード下から強制的に退去させられてしまい、数ヶ月間行方が知れなかったが、恵美須町の方で古雑誌を売っている姿を発見した。
「画白、なんで雑誌なんか売ってるんですか。絵はやめたんですか」
「あそこ、あかん。描かれへん」
オバサン、オジサンの姿はなかった。
それから画白の行方は、本当にわからなくなってしまった。1993年夏頃の話である。

・・・・・・

その一年後、驚くべき事実が判明する。
高校時代の同級生Mさんが東京の出版社で漫画雑誌の編集者をしていたのだが、久しぶりに会ったときに、彼女が当時かかわっていたNTという漫画家の話が出た。
そのNTって漫画家、変な人でね、とMさんが言う。
大阪のホームレスで、なんか変な絵を描くオッチャンを東京に連れてきて、銀座の画廊で展覧会やらしたんよ。
で、ちゃんとホテルも用意して、さぁ展覧会が始まる、っていう段になって、そのホームレス、ホテルの居心地が悪かったんか、逃げ出してしもてね。そのまま行方不明になったんよ。
NTさん、警察の身元不明遺体のファイルとかまで探しに行ったらしいけど、結局見つからずじまい・・・・

何だとぉ!?

そのホームレスの名前ってまさか。
「ソーフーガハク。自分でガハクって言ってるねんて」

・・・・・・

漫画家NT! 何さらすねん! 通天閣のクリムト? ああ、その通りだよ。だからどうした。銀座8丁目ギャラリーで展覧会? で、逃げられて行方不明?

お前、大阪の宝を、何してくれるねん!

彼が自力で大阪まで帰って来れるとは思えない。見知らぬ東京でホームレスをしているのだろうか。新世界とは勝手が違うだろうに。画材はちゃんと持って出たんだろうか。
ああ、其風画白、生きてるかなぁ。

あれからもう14年たった。画白が帰ってきたという話も聞かないし、死んだという話も聞かない。
あの当時其風画白立ち退きの理由であったジャンジャン横丁の改修整備も、結局中途半端なまま放置され、あのガード下は昔とかわらぬままだが、そこに彼はいない。
当時でも、五十歳半ばは越えていただろう。今なら七十歳くらいになっているはず。

今も其風画白の絵は持っている。
その絵を見るたびに腹が立つ。
漫画家NT! 名前隠す意味もないか、 根本敬! 阿呆!


siva080112.jpg


これが其風画白作、シヴァ神。珍しく青よりも赤系を多用している。
シヴァの顔色は青なので、ちょうど其風画白向きだと思って注文したのだが、其風画白の想像力は、そんなチンケな僕の思惑など吹っ飛ばす傑作をモノしたのである。




  1. 2008/01/12(土) 00:55:09|
  2. 日々
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

9万カウント/文章読本さん江

080111crow.jpg


いつのまにかメインサイトが9万カウントです。最近ブログとフリッカーばっかりで全然更新してないのに。来てくださる皆さんに感謝です。

更新してない、というより、実は容量一杯で新しいギャラリーとか増やせないんです。前に「text」をシーサー・ブログに移しましたが焼け石に水。次は「写真集を買いに」をどこかへ移すか、と思ってたんですが、そんな切り売りみたいなことするより、全部別のサーバーに移転した方が早いですよね。

というわけで移転も考慮中。
もし引っ越しても、みなさん引き続きご愛顧お願いいたしますよ。ね、ね(不安)。

・・・・・・

斎藤美奈子『文章読本さん江』(筑摩書房)読んでます。もうすぐ終わる。
うーん、快著です。『モダンガール論』も凄かったけど、これもいいですよー。

ずいぶん前に「すげー面白かったから読んでみたら?」と渡した『モダンガール論』が、相方の枕元に積んだまま。
「ヒナコが退院してから、あたしちゃんとした本を1冊も最後まで読めたことない」
「・・・・・」
ああ、申し訳ない。
相方も僕に負けず劣らず本の好きな人なのだが(夫婦二人で買いまくるのでうちの本棚は凄まじいことになっている)、そんな彼女がこの8ヶ月間、1冊も本が読めないなんて。
子育てって大変。当たり前のことを言うなって? ・・・はい。


  1. 2008/01/11(金) 07:13:37|
  2. 読書狂
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

1月5日

080106.jpg


山田風太郎『戦中派不戦日記』(講談社文庫)読了したあと、同じく山田風太郎エッセイ集『風眼抄』(中公文庫)も読む。こっちは軽いのばっかり。でも面白かった。散歩に出てうんこチビる話とか、病院で海音寺潮五郎に会う話とか。

小谷野敦『日本売春史』(新潮選書)と飯沢耕太郎『写真を愉しむ』(岩波新書)を併読中だが、今日買ってきた斎藤美奈子『文章読本さん江』(筑摩書房)も早く手を付けたい。小谷野敦、あとに回そうかなぁ。

モノクロ普及委員会(MFI)の「カラー部」なる、自己矛盾に満ちたグループの展示『~私たち色気づきました~』(大阪ナダール)を見にいく。
ひさびさに山本瑞穂さんに会う。瑞穂さんそっくりの甥っ子さん同伴。笑えるくらい似てた。いやー、血の繋がりって。

この瑞穂さんと福永貴之氏と僕との三人展を企画中だが、企画中、企画中と言いながらなかなか話が進まず。ほんまにやるんかい、と周囲からツッコミが入り出した今日この頃。
ええ、やりますとも。楽しみで仕方ないんですよ、このメンバーでやるの。
諸般の事情で滞ってますが、もうしばらくお待ちを。必ずやります。
今年の夏か、秋までに出来たらいいな、と。

ちなみに次の展示は2月5-10日 大阪ナダール「写真機と写真」展(B日程)です。
福永貴之、川谷直子、佐野恭子、宇野真由子、小西忠男、カマウチヒデキ、三島佳子、橋本大和、遠藤慎二の9人。
あ、プリントしなきゃ。





  1. 2008/01/06(日) 00:46:07|
  2. 読書狂
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

ビッグミニF

080102bigmini.jpg


ヒロミックスなんかが使い出すずっと前からビッグミニを使ってる。
って、ヒロミックスに対抗してどうする(笑)
何台か使い潰して、今使ってるのは最終型のビッグミニF。35mmF2.8。なかなかいっちょまえのレンズである。
F3.5の機種ですらかなりいい写りで、いい加減に撮っても簡単に六切くらいには伸びた。

この前ナダールの橋本氏と話していて「あ、僕もビッグミニ大好きでした」なんて話になって、長らく忘れていたこのカメラを引っ張り出してみた。
欲を言えば、いろいろこうだったらなぁ、という部分はある。例えば、せっかく露出補正がついているのに、電源入れ直すたびにセットしなきゃいけない、とか。その露出補正もオーバー側は+1.5のままでいいけど、アンダー側は-0.5か-1だったらいいのに、とか。

まぁ、そんなこまかいことには目をつぶろう。
写りは、かなり良い。
実際、久々に2~3本トライXを通してみて、ちょっとびっくりした。
こんなに良かったっけ?

ビッグミニって、どの機種も昔からポジ向きの渋めの露出をするんだけど、ネガだともうちょっと乗って欲しい感じで、かといって+1.5補正だと乗りすぎる。
今回、安易な解決策として、全部+1.5で撮って、現像を短めに切り上げる、という方法をとってみた。
これが当たりだったようだ。
シャドウの階調もよく出てる。さすがはヘキサーの従兄弟。

しばらくハマるかも。

・・・・・・

Flickrに「Big Mini」セットを作りました。ちょっとづつ増やしていきます。










  1. 2008/01/02(水) 03:45:10|
  2. カメラ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。