OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

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ヤンソン狂騒始末

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3479623921/

最近本屋にいる時間というのが減ってる。
以前のように休みのたびに書店をハシゴ、というようなことはヒナコが生まれてできなくなった。
以前は、僕も相方も本を買い込むタチなので神戸に行ったらジュンク2軒、京都に行ったらジュンクと丸善(なくなってしまったが)と恵文社、大阪に出たらジュンクとかっぱ古書街と中崎町の古本屋、という風に、一日に何軒も本屋を回るのである。
仕事で大阪に出ることもある僕は今でもジュンク堂に寄ったりできるが、ヒナコの世話に追われる相方はそうはいかない。近所の中規模書店を大急ぎで見て回るくらいしかできないので、「いいなぁジュンク堂」と恨めしげに僕を見る。すまんなぁ。
いつになったらヒナコと相方とジュンク堂の入り口で「じゃ、解散。3時間後に集合!」なんてことができるようになるんだろうか。

・・・・・・

最近は本の寿命が短い。すぐボロくなるという意味ではなくて、新刊書店に並んでいる期間の話。
といっても、旬が過ぎたらすぐに書棚から消えるものと、そんなに数は売れないだろうに十年単位で置かれ続けるものがあって、こちらとしても無尽蔵に買うわけにいかないから、どうしても「今買っておかないと手に入らなくなる本」から優先的に購入することになる。

十年単位で置かれる本とタカをくくって、いつか揃えたいけど今じゃなくても、とためらい続けたシリーズがある。
トーベ・ヤンソン・コレクション、筑摩書房全8巻。「ムーミン」以後に書かれた大人向きの小説のシリーズである。
最初に2冊ほど買って読み、面白かったので全部揃えようかと思ったのだが、先に講談社が出している自伝系の何冊かが品切れになりそうな気がしたのでそちらから揃え、筑摩のシリーズは後回しになっていた。

筑摩のシリーズは祖父江慎の装幀が美しく、これは出版社としても気合いが入っている感じで、長く売るつもりだと踏んだ。で、実際に長く売られていたのだが・・・ちょっと呑気に構えすぎたようなのだ。
思えばちくま文庫から短編アンソロジー(この全8巻コレクションから短編をセレクトしたもの)が出た時点で気がつくべきだった。以前のように休日に本屋を3件ハシゴするような生活を続けていればわかったはずなのに。

ところで僕は自民党のやることは何でも腹が立つタイプの人間だが、定額給付金については「そんな金、経営難の公立病院に回すとか、他に使い道あるだろ!」と思いつつも、まぁ、くれるというんだから、もちろんいただく(えへん)。
で、日頃躊躇してた本にこの1万2千円を使っちゃえ、てなわけで、ヤンソン・コレクションを全部揃えようと考えたわけです。
6巻分全部買って、ちょっとだけお釣りがくるくらい。こんなお金でもないとなかなか踏み切れないからね。
そう思った矢先に。

「全巻品切れ、重版未定」
がーん!
あわてて大阪や西宮の大型書店の在庫を残らずチェックする。
ジュンク梅田で売れ残りの6巻『太陽の街』を発見。即購入。
家にあるのは1巻『軽い手荷物の旅』と5巻『人形の家』だから、残るは2巻『誠実な詐欺師』、3巻『クララからの手紙』、4巻『石の原野』、7巻『聴く女』、8巻『フェアプレイ』の5冊である。

目を充血させながら夜中の二時までネット検索して古書店の在庫を探し、2、3,4巻をなんとか見つけ出して注文したが、どうしても7、8巻が手に入らない。
アマゾンに中古出品で出てはいるが、4200円、5000円、とえげつないプレミアがついている(定価は各巻1500円前後)。

残る2冊で9200円? もうすでに8000円くらいつぎ込んでいるから、定額給付金から足が出てしまう。
行っとくか?
いやいや、もうちょっと待て。早まってはいけない。

恵文社に問い合わせ。在庫なし。
ジュンク難波店、在庫なし。
梅田の5大書店(ジュンク×2、旭屋、紀伊国屋、ブックファースト)すべて確認済。
ジュンク西宮店、2冊あったけど、すでに持ってる巻だった。
西宮ガーデンズのブックファーストは確認していないが、出来たばかりの店なのでどうせ持っていないだろう。
ああ、万事休すか。

待て、ジュンク堂は神戸にもあるじゃないか!

数ある大型書店の中で、僕がジュンク堂ファンである理由は、以前に別のところで書いた。
http://kamauchi.tumblr.com/post/63163540
あの素晴らしい書店員さんがいた(今でもいるのか?)店がジュンク堂三宮店である。
もう頼みの綱はここしかない。
電話で問い合わせる。
電話しながら、多分ないだろうなと考えている。どこかの新刊書店に在庫が残ってる可能性がある本に、4000円や5000円といったプレミア価格はつかないはずだからである。

「申し訳ございません、トーベ・ヤンソン・コレクション7巻と8巻ですね。当店、残念ながら在庫がございません」
電話応対に出た女性店員の口から、「やっぱり」な答えが。ああ。
「出版社も品切れの状態でして、取り寄せができない状況なんですけれども・・・」
知ってますよ、そんなの。はぁ。
「お時間頂けましたら、他の支店が在庫を持っていないかお調べします。いったんお電話切らせて頂いて、わかり次第お電話差し上げますが」
おお。前にかけた難波店ではそんなことしてくれなかったぞ。
「お願いできますか」
「ではお電話番号とお名前を・・・」

その40分後、電話が鳴った。
その店員さんは40分もかけて他の店の在庫を調査してくれたのだ!
「お待たせいたしました。別の二つの店舗に1冊づつありました。一度こちらに揃いましてからもう一度お電話差し上げますのが、このお電話でよろしいですか?」
「あ、あったんですか!?」
「はい」
ただし、長い間棚晒しになっていた本なので「美本」というわけにはいかないこと、カバーがそれなりに傷んでいることを説明される。
そんなの、問題あるわけない!
「全然オッケーです!」

そういうわけで、筑摩書房トーベ・ヤンソン・コレクション、とりあえず全冊揃うことになったのです。

ああ、やっぱりジュンク堂三宮店は素晴らしいね!


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  1. 2009/04/29(水) 06:57:30|
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カラーモード

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最近カラーモード。なんだか乙女チックなカラー写真を撮ってます(笑)。
といっても、まぁ41歳のおっさんが僭称している乙女であるからして、SX-70で窓際の雑貨撮ってるようなのを想像されても困るのだが。
なんか叙情的、くらいの乱暴な意味で受け取っていただきたい。

せっかく水温が安定しているのに、今モノクロやらなくていつやるんだ、って感じなんですが、タイミングの悪いことに、今は頭の中が完全にカラー。

モノクロの未現像フィルムを入れておくクッキー缶を見たら、いつ撮ったかわからないブローニーが2本。
ひと月以上前だろうな。何撮ったのかも覚えていない。APX400とアクロスなので一緒に現像できないし、どうしようかと迷う。
もうちょっと放っておくことにした。

・・・・・・

注文していた『野呂邦暢作品集』(文藝春秋)が長崎の古書店より届く。
読んだことない作品がいっぱい入ってる。嬉しい。
相場の半額以下で売りに出ていたのでよほど痛んだ本なのかと覚悟していたが、全然きれいな本でびっくりする。
長崎のぶくせんさん、この値段でいいの? ありがたいです。




  1. 2009/04/28(火) 00:22:25|
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やっと

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3472876993/

最近やっとGRD2の凄さがわかってきた気がする。

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3473686336/


「正解」を掬い上げるために、ちょっと努力を要するカメラだけど、ちゃんと格闘する価値のあるカメラだなぁ。
リコー、素晴らしい。


  1. 2009/04/26(日) 00:40:25|
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復刊ドットコムに野呂邦暢を

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3466142974/


以前に書いた野呂邦暢『諫早菖蒲日記』の話。
http://kamanekoblog.blog58.fc2.com/blog-entry-350.html

この話を含む『野呂邦暢作品集』(集英社)をネット古書店で見つけて購入しました。相場1万円超のところ、ちょっと傷んだ本のようなので4000円。
傷んでいてもいい。『諫早菖蒲日記』を、文庫ではない、ちゃんとした装幀の本で持っていたかったのです。

現在『諫早菖蒲日記』は単行本は古書店にもまったく出回らず、集英社文庫のものすら数千円の高値が付く状態(僕は2500円で買った)。
僕は日本の小説を隅から隅まで知り尽くしているわけじゃないから、僕が「日本一美しい小説!」と息巻いてみても説得力ないだろうけれど、それでも、これが日本文学史上「屈指の」(一応控えめな表現)名作であることは請け合えます。

こんな名作を品切れ・重版未定のままほっておいていいんでしょうか?

この小説の姉妹編? に『落城記』という話もあります。
http://kamanekoblog.blog58.fc2.com/blog-entry-354.html
こちらは昔、向田邦子がドラマ化したのでそれなりに原作小説として売れたらしく、古書店でも『諫早菖蒲日記』ほどの入手困難ではありませんが、新刊で手に入らないのは同様です。
静かに気持ちに染みてくるのが『諫早菖蒲日記』なら、多少派手に、ぐいぐい琴線を掴んでくるのが『落城記』。
ラストシーンで泣かない人がいたらお目にかかりたい。
泣けたらいい小説、という変な風潮があるけど、もちろんそんな意味ではなくてね。

野呂邦暢って、たとえば筑摩の文学全集とか、ああいうのに全く採用されませんが、なんでなのかな? 講談社文芸文庫には1冊だけ入りましたが、すぐに品切れ。みすずからは数ある野呂邦暢の名作を差し置いてこれかよ、みたいな本が復刊されてるし・・・。

というわけで「復刊ドットコム」に
『諫早菖蒲日記』『落城記』を登録しました。
みなさんの1票が、この宝のような文芸作品を再び世に出すことになるかもしれません。ぜひ投票を。
そしてめでたく復刊の折には、ぜひぜひ購入して読んで下さい。




  1. 2009/04/24(金) 19:03:05|
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腐肉さんのプリント

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ふふふ。羨ましい?
いただいてしまった。腐肉さんのプリント。
ふふふ。
う~ん、いいなぁ。

ヒカリチュウドク/腐肉狼

  1. 2009/04/21(火) 23:45:20|
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M4アイレット修理計画

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ええ、これがある特定の範囲の方々には有名な、カマウチの「落下ライカ*」です。ハヤタカメラの根本さん、小林さんの神業的修理により、現在は快適に動作しております。

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ケースの裏側と底にはゴム貼ったり。かっこ悪っ。

かっこ悪いけど、このケース、表面がつるつるで指が滑るんですよね。右手の指がかりの部分にも、ストラップ作ったときの余り革をボンドで貼っつけてあります。見栄えよりも実用重視であります。

ライカM4ボディのシボ革って、本当に持ちやすさを考えて作られてるなぁと感心するんですが、その持ちやすいシボ革を隠してまでケースに入れる理由は何か?
前にも書きましたが、僕のM4、ストラップを取り付けるためのアイレットがすり減って、もう切れる寸前なのです。

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で、こんな風にアルミ管いれて補強したりしてたんですが、焼け石に水っぽい。

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もう一回落下させたら、もう修理費用は出せないので、仕方なくストラップ付きのボディケースを付けて使っているわけです。

しかし、フィルム交換でいちいちケース外さなきゃいけないし、イライラすることこの上なし。

で、今日、会社の先輩で、各種工作加工の達人Yさんに相談してみたのです。アイレットの中を補強する手はなんかないでしょうか、と。
そしたら「リベットか何かで別の吊り輪をそこへ打ち込んだらええんちゃうの?」と。
おおお。内部を「補強」することばかり考えていましたが、別の(たとえば8の字型の)部品をその穴にリベットで固着してしまう、という発想に目から鱗。
なるほどなぁ。着想が違うなぁ。

なんかいい具合の金具が見つかったらいいのになぁ。ホームセンターに探しに行こっと。
ストラップ直付け出来るようになったら、またこのライカ活躍しまっせぇ。

*落下ライカ



  1. 2009/04/21(火) 00:53:14|
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バカの定義(内田樹)

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3455302479/


内田樹『ためらいの倫理学』(角川文庫)を読んでいる。
素敵な文章に出会ったのでメモ。

私たちは知性を検証する場合に、ふつう「自己批判能力」を基準にする。自分の無知、偏見、イデオロギー性、邪悪さ、そういったものを勘定に入れてものを考えることができているかどうかを物差しにして、私たちは他人の知性を計量する。自分の博識、公正無私、正義を無謬の前提にしてものを考えている者のことを、私たちは「バカ」と呼んでいいことになっている。
(「自由主義史観について」)


  1. 2009/04/20(月) 02:10:59|
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I love bicycles

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3450371900/


今までフリッカーにアップした写真の中から、自転車が写っている写真を選んでセットにしました。
まぁなんと、僕は自転車を撮るのが好きなんでしょう。90枚以上ありました。

I love bicycles
スライドショーでどうぞ。
http://www.flickr.com/photos/kamauchi/sets/72157616840839049/show/

スライドショーがかったるい、って方はこちらで。
http://www.flickr.com/photos/kamauchi/sets/72157616840839049/detail/


  1. 2009/04/18(土) 01:29:44|
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だから写真って何なのよ、と問われれば(シンプルな答え)

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3444872430/


アミノ酸レベルで言うならば、僕らの体は数ヶ月単位で完全に入れ替わっているらしい。生まれてこのかたずっと引き継いでいるものなんか何もないんだと。前に読んだ福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)に書いてあった。

自分を自分だと思いこんでいるところの核のようなもの、それも毎日毎日新しい情報が入れ替わり入れ替わり入ってきて、気がつけばすっかり自分はちょっと前の自分ではない。

自分のアミノ酸の組成が順次入れ替わっていくイメージで、自分の精神の組成が入れ替わっていくさまを想像する。
全身のアミノ酸が100回入れ替わってもこの見飽きた顔がオダギリジョーに変身したりしないように、自分の精神の部分も、一足とばしに別人に成長を遂げたりはしない。

が、もうすぐ42歳の僕は、どう考えても20歳の若造だった僕とは、すでに別人である。

そう考えるとあと18年、60歳を迎え、ヒナコが20歳になる年に、僕がどんな人間に変貌しているのか、もしくは存外に変わってないのか、予測もつかない。
こうなりたいと邪念を抱けばきっとその通りには進んでくれないので、楽しみに思いつつも気にせず写真を撮り、仕事をし、本も読み、人とも会い、なるものになろう。ほっておいても自分は徐々に入れ替わる。


写真はその克明な記録にもなるし、組成を入れ替えるためのエンジンにもなる。
そうなんだな。
そう、そういう単純なことなんだな。たぶん。


  1. 2009/04/17(金) 00:52:31|
  2. 写真
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ウィトキン

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気がつけば半月ずっと仕事休みなしだったので、なんか体ダルダル。最近頭痛も多い。ちょっとバテてるなぁ。

・・・・・・

数年前から欲しい欲しいと思っていたジョエル=ピーター・ウィトキンの写真集が、最近アセンスでも見なくなったなぁとがっかりしていたら、Thames & HudsonのPHOTOFILEシリーズ(A5くらいの小型の写真叢書)で出ているのを発見。
できれば大判で欲しかったが、次いつ見つかるかわからないし、2000円だったし、結局購入。
でもいつか大きいのも欲しい。

(ウィトキンについては評論家・大場正明氏によるわかりやすい解説があります。こちら

・・・・・・

内田樹『街場の現代思想』同じく内田樹『子どもは判ってくれない』(ともに集英社文庫)読む。



  1. 2009/04/15(水) 01:19:08|
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ノモト ピロピロ氏

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3447840188/

ノモト ピロピロ、恐るべし。
アート=何らかの手段で心をざわつかせること、という定義で語るならば、ピロピロ氏の写真はざわざわ・ゾクゾク・乳首びんびん、まさにフル充電&ビリビリ漏電アートなのだぁ。
http://www.digmeout.net/recommend/artist.php?i=164

やられました。

・・・・・

大阪はもう終わってしまいましたが、東京の方は17日からナマ・ピロピロ写真を見ることができます。
FUNKY802 digmeout EXHIBITION 2009

ぜひぜひ、ゾクゾクしに行ってください。





  1. 2009/04/13(月) 00:17:04|
  2. 写真
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BBSから救出

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3409749850/


ちっとも来てくれる人がいないので(泣いてなんかないやいっ!)BBSを閉鎖しました。
削除するにあたって、なんか面白い文章があったら救出しておこうと、全部読み直しましたが、あんまりなかったですね(笑)。ま、閉鎖もやむなし。
二つだけ救出しました。


『だから君は行くんだ微笑んで♪』(2008年9月28日)

アンパンマンの主題歌の素晴らしさはよく語られるところですが、話の中身もなかなか幼児向きにしては複雑な話もあって、なかなか面白いです。

大相撲の雅山がメロンパンナちゃんフリークなのは有名ですね。
「姉思いの、すっごくいい子なんですよぉ」と目を潤ませながら語っていた姿をテレビで見て、ちょっと雅山を好きになったカマウチです。
で、メロンパンナの姉はロールパンナなわけですが、これはパン工場でロールパンナが生まれるとき、バイキンマンの策略で「バイキン草」(だったっけ?)を混入されてしまったため、ロールパンナは善悪二面を併せ持つ、複雑なキャラクターになったのだそうな。
善の代名詞アンパンマンの顔を見ると思わず攻撃したくなる、というキャラ設定が、どこが幼児番組やねん、という感じで好きです。

普通はジャムおじさんがパン生地に「まごころ草」を混ぜ込んでパンを焼くため、良い子たちばかり生まれてくるんですが、そこに異物を混入してしまおうというバイキンマンの悪意は、なかなか凄絶なものがありますね。
地雷で住民たちの足をふっとばして障害者を量産し、敵国の国庫を疲弊させよう、みたいな底意地の悪さがあります。
ていうか、一種の細菌兵器か。

基本的に悪者はバイキンマンだけなので、いろんな性格の「悪」をバイキンマンが一手に割り振られるんですが、年をとりすぎて立ち枯れ寸前の樫の木(だったっけ?)を守ろうと頑張って世話をする「のぎくちゃん」を押しのけ、「タキギにしてやるぅ~」と樫の木を倒してしまうバイキンマンは、いくらバイキンマン贔屓のカマウチですら絶句してしまうほどの極悪でした。
地面から新しい芽が出ているのを発見して「ほら樫の木は新しい命に繋がってるんだよ」だとか何だとか、無理矢理に話をまとめていましたが、あそこから幼児が学ぶのは「命がつながっている」ことではなく、「世の中にはどうしようもない理不尽というものがある」ということに違いありません。

それにしても、パン生地に「まごころ草」を混ぜてよい子ばかりをつくるジャムおじさん、という話も、冷静に考えれば不気味ですね。
ジャムおじさん何者??? 何様?

あのまごころ草のせいで、アンパンマンはいつまでたってもバイキンマンの息の根を止められない、というのなら、ジャムおじさんはちょっとそのへんを間違えてしまったのかもしれないな、なんて思ったり。
考えれば考えるほど、なかなか味わい深いアンパンマン・ワールドなのでした。


『一日働いて2000円♪』(2008年6月24日)

憂歌団のライブ盤がいろいろ。
憂歌団といえば『君といつまでも』。なんでこんなに泣けるのか。笑いながら泣かなきゃいけないので顔の筋肉が忙しい。
なんかもう、聴きすぎて、条件反射みたいになってる。
木村君が「ぼ、ぼかぁ・・・・死ぬまで君を○△×□(不明瞭)・・・・いいだろぉ?」という、最後のタメのところで、ボタンを押すようにウルッとくる。
「天使のダミ声」と名付けたのは誰? 世紀の名言。
当時『おそうじオバチャン』を放送禁止にした民放連の愚か。
差別って何だろうって思うね。

差別といえば、本橋成一監督の映画『ナミィと唄えば』(傑作です!!!)で、ナミィが台湾のハンセン病施設を訪ねて収容患者と一緒に歌を歌うシーン。
ハンセン病だから、患者たちは電動車椅子に乗ったりして歩けない人が多い。
そこでナミィは「山田の中の一本足の案山子~」とやるわけだ。
「歩けないのか山田の案山子~」
患者たちも手拍子叩いて大喜び。
ハンセン病患者の前でナミィが「歩けないのか山田の案山子~」と唄った、と聞いて「彼氏」は「わはははは!」と笑い転げる。
映画を観てもらわないと今いちニュアンスが伝わりにくいだろうが、このシーンを観て「差別だ! ひどい!」なんて言うスットコドッコイはいないだろう。
説明不可の、感動的なシーン。

差別って、言葉じゃないのだ。それを発する人間の心性で、その言葉は差別語にもなるし、愛の言葉にもなるのだ。

  1. 2009/04/12(日) 06:54:06|
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裏庭の柵をこえて

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3428364901/


今日の大島弓子は『裏庭の柵をこえて』。
「切なさの百科全書」大島弓子の中でも一二を争う切ない物語。
シラカシの切られた枝を胸に泣く明石君の姿に、今回も涙腺決壊。

簡単に書くけれど、「切ない」ってどういう心の作用なんだろうか。
経験的に知っている「どうしようもないこと」への切望と諦念の切り結び。境目から漏れ出る軋みの音。
シラカシの枝を切られ、これは右手だったんだ、これは左手、と泣く明石君を見て感じる切なさって、一体過去の僕らの何にリンクするんだろうか。
僕らが失ってきた右手や左手って、一体何なのだろう。
  1. 2009/04/11(土) 01:36:14|
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バナナブレッドのプディング

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大島弓子『バナナブレッドのプディング』久々に読む。
中期の傑作。というか、大変な作品。
詳細な分析は橋本治の大島弓子論(『花咲く乙女たちのキンピラゴボウ・後編』河出文庫)に任せてしまおう。
今は理屈を忘れてこれだけ難解で、荒っぽくて、突飛な、そしてとんでもなく美しい物語に没入したい。

完成度で言うならば、大島弓子は後年、もっと精緻な、破綻なく緊密な名作をいくらでも描いている。
それらの珠玉の名篇たちに比べればいかにも荒っぽいこの『バナナブレッドのプディング』だが、この作品あたりから、『綿の国星』を経て、後の角川ASUKA時代の傑作群へ向かう大島弓子の足取りを、まだ読んだことがない人はぜひに辿ってもらいたいと思う。
この辺が、どうしても大島弓子の核なんです。
『バナナブレッド』から『ダリアの帯』への波涛を浴びずに、『夏の夜の貘』や『つるばらつるばら』『秋日子かく語りき』の爛熟へいきなり行って欲しくない、と、ついついいらぬ世話を焼きたくなる。

というわけで、メディアファクトリーから『大島弓子が選んだ大島弓子選集』全7巻が刊行中です。
http://www.comic-flapper.com/comics_pickup002.html
僕は朝日ソノラマ版の16巻選集を持ってるので買いませんけどね。




  1. 2009/04/07(火) 01:54:11|
  2. 読書狂
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いちご物語

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ハヤシマドカさんの日記に触発されて大島弓子『いちご物語』を久しぶりに読む。
まだ絵が安定していないが、ここから『バナナブレッドのプディング』が生まれ、『綿の国星』が生まれる、原石のような作品。
相当荒削りだが、荒削りな分、後の大島弓子のような絵的な抑制も効かず、ストレートに爆発するいちごの感情が痛すぎ。

嬉々としてフランクフルトにケチャップとマスタードを塗る大木一範氏がいちご色に加工されているのは単なる偶然です。
調整レイヤーのベタ塗りを2枚作って乗算とオーバーレイにしてブレンドして、と遊んでいるうちに、無意識が「いちご」と囁いた、というのはいかにもコジツケです。






  1. 2009/04/05(日) 00:37:37|
  2. 読書狂
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駆け足で読書の記録

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/3401929242/


読書の記録、最近書いてない。何読んだかも忘れかけ。取り急ぎ覚えている分だけ書く。■米原万里『愛の法則』(集英社新書)。講演集。内容は、まぁ軽いんだけど、生前のあの語り口調を思い出してしんみり来ますね。■後藤繁雄『写真という名の幸福な仕事』(アートビートパブリッシャーズ)。そうそうたる写真家たちへのインタビュー集。クーデルカへのインタビューもあり! エグルストンの変な人格も面白かったなぁ。非常に勉強になる1冊でした。■内田樹『街場の教育論』(ミシマ社)と■内田樹『知に働けば蔵が建つ』(文春文庫)。この人、実ははじめて読んだんですが、ものすごく面白い部分と、非常に難解な部分と入り乱れていて(「武術的思考」の部分なんか全然わからない 苦笑)、まともな感想書くのはもうちょっと読み込んでからじゃないと無理。しかしポイントポイントで非常にハッとする部分あり。もっと読む価値ありそうな。■小山登美夫『その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる』(講談社)。そろそろ写真貧乏にも飽きてきたし、ここいらで一発有名になって金でも稼いでやるか、と読み始めたが、読み終わってわかったことは、ま、僕の写真に価値がつくなんてことは金輪際あり得ない、ってことくらいかな(笑)。■岡本かの子『食魔』(講談社文芸文庫)。今読んでる途中。最初の短編ですでにトリコ。さすが岡本太郎の母。面白い!■相方が古本屋で『STUDIO VOICE』のウィリアム・クライン特集(1999)を見つけて買ってきてくれた。ナイスな特集。かっこいい! 大道っぽい(逆だ。大道がクラインっぽいのだ 笑)写真よりも、ファッション写真に唸る。自分の路上写真をパロったような写真。最高。



  1. 2009/04/01(水) 01:55:38|
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