OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

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樺戸集治監

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■吉村昭『赤い人』(講談社文庫)
明治時代、北海道の開拓を担ったのは無期・長期の徒刑囚の凄絶な労役だった。鎖と鉄丸に結わえられ、極寒の雪中に足袋も与えられず、凍傷で手足を耳を失い、栄養失調と戦い、ボロクズのように死んでいく囚徒たち。
北海道・樺戸集治監を舞台にした小説には山田風太郎『地の果ての獄』があり、山田太一脚本の大河ドラマ『獅子の時代』(1980)でも主人公が一時収監される設定だった。僕が中学生の頃のドラマだが、よく覚えている。
吉村明のこの本は北海道開拓裏面史として集治監の歴史をその端緒から終焉まで丹念に綴ってゆく。脱走を試み惨殺される囚徒、過酷な労役に耐えかねる囚徒たちの怨念を一身に背負わされる看守たち。看守を殺して脱走した囚徒二人を追いつめ狩り出した看守たちが、仲間を殺された報復に囚徒を寄ってたかって斬殺し、斬り苛んで原型をとどめぬ肉塊にしてしまう凄惨な場面がある。スコップに盛られたその肉塊が、この小説の主役なのではないか。凄い本である。


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  1. 2009/12/29(火) 01:35:13|
  2. 読書狂
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『GRD』搬入終了

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/4199641677/

『GRD』搬入終了。
前回(去年)もそうなのだが、この催しは入口の大壁担当の川本亜矢の切れ味ザックザクの才能を堪能するためにある。導入の大壁で川本さんに自由に飛び回っていただいて、僕の役割はといえば、まぁ、飛びすぎて戻りにくくなっちゃった人たちをつなぎ止める重石というか(笑)。
今年も「重石」に徹した写真を出しましたよ。重たすぎて川本さんの飛ぶ足を引っ張ってなきゃいいけど。
遠藤さんは残念ながら今年不参加ですが、そのかわり、我らが腐肉狼が参戦しております。川本&腐肉なんて、なんか夢のような組み合わせ。おお、僕は二人分の重石にはなっていないぞ(涙)。
あと、新鋭・木村氏とオーナー大木さん。今年は5名でお贈りする『GRD』。明日22日(火)~1月10日(日)まで大阪・四ツ橋ギャラリー・マゴット。ただし12/28~1/4は休廊です。12:00-20:00。

・・・・・・

内田樹『日本辺境論』(新潮新書)。「機の思想」のあたりが、多分この本の核のはずなのだが、その肝心の部分がよくわからない。なんかすごく重要そうに感じるのに、ちゃんとわからない。頭悪くなったのかなぁ俺。後日要再読。




  1. 2009/12/21(月) 02:00:46|
  2. 展示
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今年も『GRD』

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(去年の『GRD4』)

気がつけばギャラリー・マゴット『GRD』展まであと1週間だった。
ずいぶん前にもうプリントしてしまってたので、すっかり忘れかけてた(怖)。仕上げしなきゃ。
今回もツワモノ揃い。すごい展示になると思います。

川本亜矢 / カマウチヒデキ / 腐肉狼 / 木村充伸 / 大木一範
『GRD』
12/22(火)- 1/10(日) *12/28ー1/4は休廊
ギャラリー・マゴット
http://gallery.maggot-p.com/

マゴットの展示に参加するの久しぶり。2月にも『肖像写真』で参加予定です。


  1. 2009/12/14(月) 12:45:27|
  2. 展示
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サルガド

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/4169456312/

僕は見ていないが、テレビでサルガドがインタビューされてた内容を相方が教えてくれた。
世界の紛争地域や過酷な労働現場で撮影をしながらあなたの写真はとても美しい光を捉えている。過酷な現状を美しく描きすぎだという非難する意見もあるようだが(大意)、とのインタビュアーの失礼な(と相方は感じたらしい)質問に、サルガドは答えた。「日本のような裕福な国にだって美しい光はあるでしょう」

十年くらい前にサルガド展が来たとき、炭坑で働く何万人という人群を壮大・劇的かつ美しく捉えた写真を見て、感動しつつも、多少の違和感を感じたのは確かである。だいたい、僕のようにクーデルカが好きな人はサルガドが苦手だと相場が決まっている(笑)。
しかし、この一言は厳しい。
「日本のような裕福な国にだって美しい光はあるでしょう」
なんだか、ぐうの音も出ない。

叙情だ何だと、青臭い写真を撮ってる程度の者に、サルガドがクーデルカと比べてどうだ、とか偉そうに語る資格はないのである。

嘘。

そんなことはない。感じた違和感を「資格がない」といって封殺する方が間違っている。
だから、今東京でやってるサルガド、見たいんだよなぁ。十年たって、今はどう感じるのか確かめたい。
もちろん違和感を感じたからといってサルガドの写真がつまらないというわけではない。違和感を含めて凄い、ということもアリなのだ。
そういう違和感を感じる部分を乱暴に斬り捨てて、某評論家のように「サルガドのような写真を見てプリントの美しさがどうのと論評するのは馬鹿げている」と断を下すのも、逆に馬鹿な話である。スリバチ状の採掘現場にアリのように列をなす過酷な人群を見て「可哀想」「悲惨だなぁ」としか思わない人はどこかおかしい。やっぱりあれは美しい。凄まじい現場だけれども、どうしようもなく美しい。だから凄いのだ。違和感を含めて、凄い。
東京でサルガド展見た方、どう感じました?

「日本のような裕福な国にだって美しい光はあるでしょう」というサルガドのイヤミ(でしょ?)に応えられるだけの写真を目指さなきゃいけない。それは別にルポタージュじゃなくてもかまわない。応えたところでサルガドは僕のこと知らないって? まぁそりゃそうだが、それは関係のない話である。

あ、念のため書きますが、ただ「美しい光の写真」を撮りたいって言ってるんじゃないですよ。

  1. 2009/12/11(金) 07:00:51|
  2. 写真
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時代小説愛好家? なのか? 他。

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■『風林火山』の歴史背景をちょっと復習しておこうと思って、海音寺潮五郎『武将列伝』の武田信玄・勝頼あたりを拾い読みする。こんな風に大雑把な用途に役に立つ本で、以前はけっこう信用していたのだが、大岡昇平に「エセ考証家」呼ばわりされているのを知ったせいでもないけれど、なんだか最近記述に胡散臭いものを感じる。おそらくこの前読んだ『蒙古来る』が駄作だったからだろう。『平将門』『二本の銀杏』『王朝』などで心証に刻まれていた「一流」感が、あの小説のせいで脆くも吹っ飛んでしまった。未読の『天と地と』を読んだら失地回復できるだろうか。せっかく全集まで持ってるわけだし。■なんか最近歴史小説の記事が多いので、カマウチはそういうジャンルの愛好家とでも思われてそうだが、別にそういうわけではない。井上靖、海音寺潮五郎以外はほとんど読まない。昔は司馬遼太郎とか読んだけど、今はそれを多少気恥ずかしく感じる。この感じは、わかってもらえる人と、全然わからない人がいるだろう。別に司馬遼太郎を「つまらない」と思っているわけではないのである。ちょっとチャラい小説だが『風神の門』とか(真面目バージョンの『城塞』などより)好きだった。お定まりの『竜馬がゆく』もちゃんと読んでる。今読んでもちゃんと面白いだろうと思う。でも気恥ずかしい。これ以上の説明はしないけど。■今までで一番好きな小説は? と問われたら野呂邦暢『諫早菖蒲日記』と答えるだろう(ちなみに二番目も野呂邦暢の『落城記』)。『諫早菖蒲日記』も一応「時代小説」に分類されるのだろうか。現代じゃない時代を描いていたら歴史小説/時代小説、っていうのもどうかと思う。単純に時代背景やその時代のものの考え方、歴史的事実という枷が増えるだけであって、よく書かれた時代小説は、もちろん現代を背景とする小説と同等の価値を持つはずである。■だから、大岡昇平が井上靖の『蒼き狼』を批判したあの論法には僕は与しない。ただ、『蒼き狼』ははっきりと井上靖の中で失敗作であるとは思うけど。■と、けっこう語り出したら止まらないな(笑)。立派な時代小説愛好家じゃん。■なんて、自分で結論を下すのもシャクなので(?)今読んでるのはボルヘス編・バベルの図書館シリーズのうち『アルゼンチン短編集』(国書刊行会)。面白いのも、ある。微妙な言い回しを察してください。■宮崎学の名作写真集『死』(平凡社)が復刊した。素晴らしい。初版刊行時から内容は知っていて、すごく欲しかったのに懐の不如意で入手できず、いつしか絶版してしまっていた。カモシカやシカ、タヌキなどの死体に、まずどういう動物が屍肉を食いに来、次にどの動物が食い、たかったハエが生みつけたウジが肉を食い破り、いつしか骨になり、骨も持ち去られ、完全に土に帰ってしまうまで・・・を、克明に固定カメラで撮影し続けた写真集。即買い。以前、西宮浜で見た猫の死体を思い出す。体毛が半分落ちて飴色になった顔貌を露出しているのを日没寸前の青い光の中で見た。あの猫(→こういうの平気な人はここをクリック。苦手な人は不用意に押さないこと。あ、遅かった?)が、分解されて土に帰っていく、どの段階だったのかがこの写真集を見てわかった。4410円。お薦めします。
  1. 2009/12/07(月) 19:57:13|
  2. 読書狂
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風林火山/中島勉/兒嶌院長

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■久しぶりに井上靖『風林火山』を再読。何年か前のNHK大河ドラマでこの小説を原作にしていたが、えらく若い山本勘助(内野聖陽)だった。小説の山本勘助は武田に仕官する際すでに五十を越えていて、川中島で死ぬときは七十前の老人になっている。そもそも山本勘助は実在を疑われているような人物なので(実在したとしてももっと下級の武士で信玄の直近で軍師を勤めたような人物ではなかった)年齢設定など自由といえば自由なのだが。■ところで大河ドラマの『風林火山』を、僕はとうとう一回も見なかった。Gaktの上杉謙信、ちょっと見てみたかったが、井上靖の原作が好きなのでイメージを壊されるのが嫌だったのだ。結果原作とは別物ではあっても、あのドラマは近年の大河ドラマ屈指の秀作であったと聞く。総集編くらい見れば良かったかなぁ。■井上靖自身どこかで書いていたように、架空の人物(と井上靖は言い切っている)山本勘助を、武田家の歴史に投じてどう動き出すかを楽しんで書いた、一種のファンタジーである。隻眼異相、矮躯で跛というおよそファンタジーには似つかわしくない容姿で、しかも軍師=策謀家という役柄だが、信玄を愛し、由布姫を愛し、勝頼の初陣を夢見、川中島で援軍の到着を待ちながら若い武士に討たれることが嬉しいと感じて死んでいく。もう四五回は読んでいると思うが、何度読んでも勘助の最期は感動的だ。今回ちょっと腹を壊して、たまたまトイレにしゃがみながら最期のシーンを読んでいたのだが、腹は痛いわ涙は出るわ。俺、何をトイレで泣いているんだろうとおかしくなった。■ナダール大阪、中島勉写真展『すべて世界を、この一日に』。中島さんの個展は第一回目から見ている。今回が三度目。写真世界の素晴らしさもさることながら、いつも彼のインクジェットによるプリントの美しさに感心する。僕がカラーに関してはアナログプリントをやめてインクジェットで行こうと決心したのは、中島さんの影響が大きい。ペンタックス67でネガ撮影 → スキャン → インクジェットプリントの豊穣な世界を、ぜひ目にしていただきたい。■ギャラリー&ダークルーム「ライムライト」で1時間以上かけて兒嶌さんに全身マッサージしてもらう。展示のないときは本気で「マッサージ&ダークルーム」営業にしたらいいのにと思う。「久々に揉みがいのある腰ですね~」と言われる。いつもすみません。



  1. 2009/12/04(金) 07:10:36|
  2. 読書狂
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ヒカリチュウドク2009

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腐肉さんが明日から月いっぱい富士フォトサロン新潟で個展『ヒカリチュウドク2009』。
搬入終わったよー、と電話をくれる。腐肉さんのサイトに出ている展示風景を見て、うう~ん、やっぱり個展っていいよなぁ、と羨望しきり。
「明日からだからよろしく」って、腐肉さん、忙しくて心斎橋にも行けないのに新潟行けるわけないでしょ(寂)。
あ、行ける方はぜひにぜひに。

腐肉さんが作った展示と同名の写真集も昨日家に届いた。ページ数も見応えある分量だし、印刷もけっこう良くて腐肉さんの世界を損ねてない。いい写真集です。
しかしブレない人だなぁ。誰が見ても腐肉さんの写真だとわかるのに年々どんどん深化もしている。
『ヒカリチュウドク2009』とタイトルをつけるからには来年からも毎年写真集製作するつもりか。う~ん、パワフルやなぁ。

あ、腐肉さんとは年末~年明けのギャラリー・マゴット『GRD』でご一緒させていただきます。写真集『ヒカリチュウドク2009』、サンプルか現物か持参されると思うので、見て気に入った方は買っちゃいましょう。6000円です。自費刊行だけに安いとはいいがたいが、内容は十分額面の価値があります。

・・・・

腐肉さんのパワーにあてられたわけではないけれど(ちょっとそうかも)、僕も久々に6×6で始動中。
個展もいつかやってみたいなぁと、色々頭の中で描いています。福永君、瑞穂さんとの『沈降速度』、中村さんとの『叙情寫眞』と、ここ最近満足できる三人展・二人展が出来たので、そろそろ独力で立ってみてもいいかもしれない、と、ちょっと欲が出てきました。




  1. 2009/12/02(水) 01:44:08|
  2. 写真
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