OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

東京での展示です

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展示のお知らせです。
ルデコ『7』(2006.1)以来4年半ぶりに、東京での展示です。新宿トーテムポールフォトギャラリーにて11月2日(火)-7日(日)『ライムライト イン トーキョー』。
ギャラリー・ライムライト周辺の写真家11名が参加します。ちょっと凄いメンバーだったりします。

勝山信子 カマウチヒデキ 川本亜矢 サイトーシン 鈴木郁子 辻まゆみ 蓮実信郎 矢口清貴 谷部敏幸 吉田ヤスヤ 兒嶌秀憲

関東の方々、どうぞお楽しみに!


  1. 2010/08/29(日) 07:33:02|
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暑いプリント、暑くないプリント

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モノクロをプリントしてるときの後ろめたさ。カラーをプリントしてるときの後ろめたさ。モノクロは「なんで今モノクロなのか」という答えがちゃんと出ないから。カラーは工芸品制作的な手作業を経ずにプリントが出来るから。

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昨日必要があり、暗室に入ってモノクロプリントをした。室温推定37度、液温26度の灼熱暗室で3時間プリントしたら、精も根も尽き果てた。首にアイスノン巻いたりしたが、最初の30分でぐんにゃりし、すぐにただの重い袋になってしまった。早く「普通の温度で」プリントしたいなぁ。暗室で熱中症とか、シャレならん。

今日はカラーのプリントをする。といっても僕の場合はカラーはネガ撮り→スキャン→インクジェット出力なので、スキャンしてフォトショップで「明るい暗室」操作をしたあとは、プリンターから吐き出されるのを待つだけである。大汗かいて意識朦朧としながらやってた昨日とはえらい違いだ。
こういうやりかたをする理由は、あちこちに何回も書いているが、ネガ撮りの露出の許容度の広さと、フォトショップ上でアナログカラープリントでは出来ないコントラスト調整などが可能な点、つまりアナログとデジタルの美味しいところ採りが出来るからだ。しかも耐候性はアナログプリントより顔料インクジェットの方が上なのだから言うことない。ラフに撮って、丁寧に仕上げる。このやりかたが一番なじむ。

しかし愛機エプソンPM-4000pxも、来年の夏で修理部品保有が切れるらしい。インクもそのうち打ち切られるんだろうな。最新の、たとえばPX-5600なんかの方が性能もスピードも桁違いに良くなっているのはもちろん知っている。でも、壊れるまではこれを使ってやる、と、デジタル機器にしては妙に愛着の持てる機械である。

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川上未映子『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社文庫)が、もーね、好き。いい。一回通読したのに、またはじめから拾い読みしたりしている。
『乳と卵』もまだ読んどらんくせに。


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ずっと探してた太田順一『女たちの猪飼野』(晶文社)を、天牛堺書店の古書コーナーの底から780円で発見! レジまでスキップしたね。いえい。

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と、プリントが出来る間にとこの記事を書いていたら、プリンターが止まった。ライトシアン、インク切れ。おおぅ! ストックがないっ!
(前もこんなこと書いとったよな)。






  1. 2010/08/24(火) 23:55:56|
  2. 写真
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ナダール10周年記念写真展、終了しました

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『ナダール! ナダール!』終了しました。見に来て下さった方、コメント残して下さった方、ありがとうございました。

ブルーム・ギャラリーの『ポートフォリオ展 vol.3』の方は、まだあと一週間あります(本日23日月曜は休廊)。個人的に菱田さん、赤鹿さんの写真が「凄ぇ!」と思います。見る価値ありまくりです。他の方々もレベル高すぎ。身のすくむ思いです。身はすくんでますが、でも見に来て下さい。
http://www.bloomgallery103.com/exhibition/100817-0829.html



  1. 2010/08/23(月) 02:13:14|
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川上未映子に大島弓子を読め読めと言いまくった男は僕みたいな顔をしているのかな(笑)

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川上未映子『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社文庫)の中の「大島弓子を読めないで今まで生きてきた」(p.186-)が、素晴らしい名文だと思うのです。大島弓子の超名作『バナナブレッドのプディング』を評しての文章です。美しい文章に照らされて、オリジナルもまた再度の輝きを帯びていきます。
僕もあわよくばオリジナルを照り返せるような頌詞を書いてみたいものですが、なかなかねぇ。
というわけで、大島弓子をぽつぽつ読み返しています。


  1. 2010/08/22(日) 01:03:41|
  2. 読書狂
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福子2

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なぜ食べるのか、と自問して福子はこう答える。咀嚼すると記憶中枢を刺激して昔のことをどんどん思い出す。父が母を捨てた日、母が再婚した日、その他その他。まるで昨日の出来事のように磨き上げた記憶を、また丁寧に箱に入れて記憶の奥深くにしまい込む。それが終了する頃には食べ疲れて意識が朦朧としてニルヴァーナの世界に行けるのだ、と。

なぜ過去の辛い記憶を磨いて毎日更新しなければならないのか? 日々増え続ける記憶をすべて等価に磨き上げて保存することによって、個々の記憶の棘を抜くことを欲しているのだろうか。いや、「忘れない」という反抗によってしか争えないほどにまで、それらの記憶は福子を土台の部分から蝕んでいるのだろう。
カズノコがカドマツという男に恋していると知ったその記憶も、福子が「馬鈴薯」と呼ぶ記憶に、ひそかに数え上げられている。こういう小さなコマに、わかりにくいけれど、ヒントが仕組まれている。そしてそれがこの物語で、福子の「崩壊」のはじまりとして、よく読めば位置づけられている。ここを見逃すと、最後の「なったるでー」がまったくわからなくなるわけだ。うん、見逃していた。いや、見逃してはいなかったが、そこまで大きな意味をみつけていなかった。
「五歳児くらい その辺でウロウロしているの 福ちゃんて」
これを、文字通りの意味で読まなければならなかったのだ。

福子の飢餓状態を救う役割を負うカズノコを「思考がすっとぶがあったかい」の一言でしか説明していないのが難しいところだが、この物語でカズノコやカドマツまで複雑な人格を与えてしまったら、話が煩雑になりすぎると、思い切って省略された向きもあるのかもしれない。

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[ノート]
最初、福子がダイエットを決意した理由がよくわからないのだが、カズノコが「ダイエットしてみたら?」と薦めたあの一言を素直に受け取っての結果? カズノコがカドマツと出会ったことを「馬鈴薯」の一つに数え上げての暴食(軽いタッチで書かれているが、これはかなり悲痛な場面である)で、ニルヴァーナへ到達できなかったこと=福子の動揺の深さを物語っているのかも。カズノコを失うこと=もう一度家族を失うこと。だから福子はカドマツをも取り込んでの「家族」の再構築を願うのだろう。
カズノコが後半やっと悟るように、福子は「五歳児くらい そのへんでウロウロしてる」のだから、福子の言動をすべて統合されたものとして考えたら足を取られるのだけれど。
「ハートが飢餓状態」という言葉も、さらっと読み飛ばしてしまいがちだが、「愛情に飢えているの」程度の慣用句と「ハートが飢餓状態」までの間には、深い深い溝があるはずである。こんなちょっとした言葉遣いに込めたものを、ちゃんと読み取らなければならない。う~ん、流しては読めない人だなぁ、今さらながら。





  1. 2010/08/20(金) 01:45:19|
  2. 読書狂
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福子

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http://www.flickr.com/photos/kamauchi/4894518220/

もう20年近く、定期的に何度も何度も何度も読んでいるのに、大島弓子の中でどうにもこの話だけあまり共感が出来なかった『ダイエット』。
やっと、やっと、わかってきた気がする。
どうしても、まだわかりやすい人物であるカズノコやカドマツを中心に据えて福子を眺める、という視点から脱することができなかったのだ。あまりにさらりと描かれる福子のぎりぎりなはずの心を、絵柄に騙されて低く見積もって読んでいたのだ。「叙述のトリック」という言葉を思い出す。福子のぎりぎりを、大島弓子は過剰なくらいの軽やかさで描ききるものだから、推理小説でもないのに、騙されてきた。こんな壮絶な話だったのか。

同じく20年くらい前に同じ本を読んで、相方は即座に感動したと言い、わからない、という僕に「なんで? あたしたち両親なのよ、のところでジ~ンと来るやん」と説明してくれるのだが、何回読んでも、よくわからなかった。20年かけてやっと追いついた僕は、いったいどんなナマクラな感受性をしておるのか。

わからない、といいながら、わからないのが悔しくて、定期的に何度も読んできた。薄々、わからないのはこの話が凡作だからではなく、僕の理解が、なにかひとつ足りないのだ、ということはわかっていたのである。わかりたくて、20年読んできた。このわからず屋に、そこまで思わせるだけの力が大島弓子にはあるのだ。
やっぱり凄いと思う。


  1. 2010/08/19(木) 01:08:58|
  2. 読書狂
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展示二つ、開催中です

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今日からはじまります。ブルーム・ギャラリー『ポートフォリオ展 vol.3』。
http://www.bloomgallery103.com/exhibition/100817-0829.html
銀塩モノクロプリントのファイルを2冊とプリンター出力&手製本の写真集を2冊、出品してます。よろしくお願いいたします。
20日(金)19時からの交流会にも参加しますので、ぜひぜひお越し下されたく(参加費500円)。

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大阪ナダールでの『ナダール! ナダール!』も開催中です。
http://nadar.jp/osaka/schedule/100810.html
参加してますが、僕、まだ見てないんです。22日までなので、スキを見て、なんとか(多分金曜日、ブルームの前に行けるはず)。


  1. 2010/08/17(火) 00:02:26|
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鍬のきしみ

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本当にあたらしいことというのは、古いこととのつながりが切れているので、あたらしいのかどうかさえわからない。なのでどんなあたらしいことも、古いことのなかの、なにか、を多少は継承しなければならない。
それをこの小説のキーワードに従って、奥歯、と名づけてもよい。
古い道から進む、ざくざく進んでいく、その鍬の先端のきしみを感じながら一気読みした。読んでいる身も鍬を振るっている気になる。奥歯の一点に何かを継承しながら、何かを封じ込めながら、鍬は進む。しびれるほどかっこよく、みじめなほどにぶざまでみっともない。
関西弁ネイティブでない人には、ちょっとすんなり世界に没入できないかもしれないかも? という本筋とは離れた心配をしつつ、文学、というものが昔から遠回しに希求してきた柱を一本、どまんなかにおっ立ててしまったな、という痛快感の残る小説でありました。柱自体はちょっと曲がってるんだけどね(笑)。
以上、川上未映子『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社文庫)の、読みたてホヤホヤの感想でした。

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後日の追記。
後半、主人公が昔受けた仕打ち、みたいなとこが余計だったかも、とは思いました。あれがあると個人的な人格の歪み、みたいなとこにテーマが蛇行しちゃう。あんなのなしで、あくまでも直球勝負な「わたくし」論で世界を覆ってほしかった。

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一時期、小説なんて全然読まなくなっていた。一時期、といいながら、その「一時期」は10年くらいなんだけど。長いな。でも今けっこう文芸系を読んでいるのは川上弘美や小川洋子といった人たちのおかげかな。やっと「面白いやん!」と思えるとこに出会った。
川上弘美・小川洋子は「小説って、やっぱり面白いな」という感動だが、川上未映子は「小説って、こんなんもアリなん!?」という感動。バリバリと耕耘機のように文芸の新しい地ベタを開墾している感が素敵。
ひるがえって、写真の世界を考える。写真の「新しいこと」って、こういうバリバリ突き進むのだ、という高揚感が、なんか乏しい。古いことをただ否定すればそれが「新しいこと」だと思っている気がする。それは新しいことではなく、「古いのがイヤ」な写真、でしかない。
「古いのがイヤ」にもいろいろあるだろう。手垢のついた技法を、手垢のついたままの意味で使い続けるのは、たしかに古い。が、そういう古さを嫌悪するあまり、ただ写真を言葉の奴隷のように使うのは、僕は嫌いだ。
言葉で語れないものを写真で語るのだ、という、古くさいかもしれないが、ここだけは譲れない一線を死守して、そこで頑張って鍬を振るいたい。そういう写真を撮りたい。




  1. 2010/08/09(月) 23:58:00|
  2. 読書狂
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8月6日、暑い。

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買ってしまいましたよ、梓書院の快挙、野呂邦暢『諫早菖蒲日記』の復刊。
後日談である『花火』が併録されてない、と、最初ちょっと不満に思いましたが、作品の純度という意味では本編のみの復刊で良かったのかも、と思い直しました。
日本語で書かれたすべての文芸の中でも数本の指に入る美しい小説です。出会えて良かった、と心より思える本です。

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ナダールとブルーム・ギャラリーに搬入完了。
しかし、暑すぎ。十三駅からブルーム・ギャラリーに歩く10分で、びっくりするくらいの汗が出る。
久々に、暴力的に暑い夏。

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ナダールでエグルストンのDVDを買う。「カラー写真をアートに高めた男」というひねりのない副題にちょっと笑う。面白そう(まだ見てない)。
東京の人、いいなぁ。エグルストン、見たかったなぁ。

  1. 2010/08/06(金) 23:53:44|
  2. 写真
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ポートフォリオ展

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『ナダール! ナダール!』と時期がカブりますが、十三のブルーム・ギャラリーの『ポートフォリオ展 vol.3』にも参加します。
8/17(火)~8/29(日)12:00-19:00。
『35℃』から『沈降速度』『6-motion vol.2』あたりのモノクロプリント(ファイル綴じ)と、自家製本したカラー写真集『重力と叙情』(個展時より写真を増補)などを出展予定です。


  1. 2010/08/04(水) 00:24:37|
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