OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

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『ヘヴン』

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川上未映子『ヘヴン』(講談社)読む。
百瀬の語るいじめる側の論理と、コジマの語るいじめられる側の論理。それらが交わるはずもなく、つまりは「関係ないんだよ」の百瀬が言い負かす形で、物語は最後の破綻へと向かう。
いじめる側の中学生が百瀬のような怜悧な自己分析をできるわけもなく、実際には善悪とは何かという川上未映子の考察を代弁させる形で百瀬は存在し、この議論がこの小説の核となるわけだが、この核の部分に抜き去られて結局は打ち負かされるコジマの哀れが、最後に切なすぎる。
憎むべき「いじめ」という構造が、まったく憎むべき「百瀬の論理」に収斂されてしまう敗北感。最後に手術をして世界の見え方が変わった「僕」が、壊れたコジマのあとに滑稽にさえ見える。

「あの」文体を捨ててしまった川上未映子。しかしコジマが「僕」の髪を切るシーンのぞくぞくする美しさなど、ネイティブ言語でなくても書けてしまうあたり、やっぱり凄いと思った。
凄い、と、この小説が好きかどうか、は別の話ではある。
この小説を凄いとは思うが、好きかどうかは、ちょっとわからない。が、このコジマという少女を、多分僕は10年経っても忘れられないでいると思う。


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  1. 2010/09/29(水) 02:29:27|
  2. 読書狂
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やっと『乳と卵』

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諸処で絶賛されていた川上未映子『乳と卵』(文春文庫)を、ようやく読んだ。川上未映子好き好き~とか言いながらなぜに代表作をまだ読んでないのか、と言われそうだが(そもそも芥川賞受賞の今作を読まずに川上未映子好き好き~と言ってていいのだかどうだか)、せこく文庫化を待っていた、というのが正直なところである。ブックオフで600円で買えるチャンスが何度もあったんだけど。文庫380円。なんかあんまり勝った感がないな。

衝撃だった『わたくし率 イン歯ー、または世界』の、あの砕氷船のようなパワーからすると、悪く言えば賞狙い、手堅くまとめた感があって、正直なところちょっと肩透かし、ではあった。
しかし手堅いと言っても川上未映子である。かなりベタなテーマを、あけすけに直球勝負で書いていて、肝心の巻子の「わからん」部分が、最後までちょっとうやむやに逸れていく感じがやや残念なのだけれど、それでもあの最後の卵グチャグチャのクライマックスは、もし映像にしたら凄惨だろうけど、文芸として最高に美しい爆発。読んでた電車の中で笑いながら泣きました。汚くって美しい、もう川上未映子の真骨頂。好きです。

表題作が手堅い分、同時収録の『あなたたちの恋愛は瀕死』という短編が粗暴で短いながら妙にパワフルで、本としてバランスをとっている感じ。


  1. 2010/09/24(金) 23:33:10|
  2. 読書狂
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樋口一葉/ゴッホ/世界クッキー/畠山直哉

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■これがブックオフの正しい使い方、という感じで実にいい加減に買って忘れてた『樋口一葉小説集』(ちくま文庫)をペラ読み。正直期待もせず、どっちかというとシャレで読み始めたつもりが、けっこうジンときたー(笑)何篇かしかまだ読んでないけど、これは読む価値あるな。なめてました。樋口一葉様すみません、読みます。■パスカル・ボナフー『ゴッホ』(知の再発見双書)。川上未映子のブログの熱烈なゴッホ頌に気合い負けして買って読んだ。ふむふむ。有名すぎて逆に興味が向かずあまり知らなかったが、面白いです、絵も生涯も。■川上未映子『世界クッキー』(文芸春秋)。雑誌に書き散らした雑文集だけにちょっと過激さは減退しているが、それでも楽しい。好き好き川上未映子。といいながら『乳と卵』も『ヘヴン』もまだ読んでない僕。なんやそれ。買って準備はしているものの。■畠山直哉『話す写真』(小学館)。名著である。簡単に感想書けない。二読、三読するでしょう。すんごい重要なヒントがいっぱい詰まってた。宝の場所はチェックしたから、次はそれを丹念に掘り出すために読み直す。


  1. 2010/09/19(日) 01:41:23|
  2. 読書狂
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無題

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  1. 2010/09/15(水) 23:53:06|
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がらんどうに開いた口

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世界はもしかして言葉で出来ているけれど、言葉なしにはもののかたちも見えないけれど、ふとした隙間に、言葉が油断してざっくり穴があく、その言葉のがらんどうに開いた口を、一瞬でも、どうせすぐに言葉に絡めとられるのは目に見えていても、その直前の開いたままの口を、のぞいてみたくて写真を撮っているのです。


  1. 2010/09/04(土) 22:34:42|
  2. 写真
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ジャコメッリ

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ジャコメッリの写真集、日本版の8000円は出せないなぁと煩悶していたら、洋書判で5400円であった。解説読めないけど、安さには代え難く、アマゾンで購入。
ジャコメッリの紹介本としては辺見庸『私とマリオ・ジャコメッリ/〈生〉と〈死〉のあわいを見つめて 』(日本放送出版協会 )という本があるのだが、どうも僕は、『もの食う人びと』1冊しか読んでないけど、この辺見庸という人が苦手なのである。
最近読んであまり(いや、全然)面白くなかった本、伊勢功治『写真の孤独ー「死」と「記憶」のはざまに』(青弓社)のジャコメッリのページだけ読み直すか。いや、あれなら辺見庸の方がマシか(苦笑)。誰か、僕にニュートラルなジャコメッリ本を紹介して下さい(〈生〉と〈死〉のあわいを見つめて、とか、「死」と「記憶」のはざまに、とか、なんかこう、どうにかならんかね)。

あ、写真集、内容は最高。あのへたくそな合成技術はダン・トレイシーの歌を思い出させる。
へたくそだけどわくわくするぜ!




  1. 2010/09/01(水) 00:28:53|
  2. 写真
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