OK,Darling. But What is Photograph?

だから写真って何なのよ/カマウチヒデキ

『TANTOTEMPO pure vol.3』展終了いたしました

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『TANTOTEMPO pure vol.3』展終了いたしました。
ご来場下さった方、写真を購入してくださった方、本当にありがとうございました。

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TANTOTEMPO ディレクター杉山氏のblog






  1. 2010/12/27(月) 01:12:05|
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トークセッション・記憶による再現

25日のトークセションで喋ったことを、特にメモとか下書きなしに喋ったので、全然正確ではないのですが、記憶だけを頼りに大筋文章で再現してみたいと思います。後日映像がwebに乗って正確なことがわかったら、直していくことにして、とりあえずおおまかなところを。

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カマウチです。
普段は僕は大阪四ツ橋のギャラリー・マゴットだとか帝塚山のギャラリー・ライムライトあたりをホームグラウンドにして写真の活動をしています。先ほどの保坂(昇寿)さんが新しい写真の世界から来た人だとしたら、僕はまぁ旧来の写真という枠組みの中で鍬を振るっている人、って感じだと思います。

僕の写真は基本的にスナップです。先にコンセプトを立てて、という撮り方ではないので、今回の出展者の中では僕が一番(アートとして写真を販売するという)このギャラリーにそぐわない感がある気がします。ですので今回こちらに声をかけていただいたときに、自分の写真をどう説明するかについて、ちょっと考えまして、なんか理屈を立てないと入っていけないぞ、と。

で、自分の写真って何だろう、とこの二ヶ月くらいの間ずっと考えていたんです。これは昔から思っていることなんですが、僕の写真って、全く外に向いてなくて、完全に自分の中に閉じてるんです。外界、社会、世界、要するに「外」に対する比重というものがない。完全に「独り善がり」な写真なんです。
独り善がりな写真ってどういうことかというと、自分の感情を、何であれ揺らしたものに対してしかシャッターを切らない、というルールを決めていますので、完全に基準が自分なんです。
それが昔から悩みでもあり、別に悩まなくてもいいのかとも思ったり、やっぱり駄目だと思ったり。

ですが、最近考えたことには、独り善がりな写真も、徹底的に独り善がりに徹してしまえば、かえって普遍を射貫くところまで持って行けるんじゃないか、と。
もちろん自分だけが基準なわけですから、そうなると写真云々ではなく、自分、の質が問われてくるわけです。僕が何か曲がった方向に進めば写真も曲がってしまう。そういう危険を伴うわけですけれども。

僕の言う独り善がりな写真というのがどういうことなのかを、2つほど展示作の具体例をあげて説明したいと思います。

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まず、モノクロの、床の左に置いてるペリカンの写真があります。あれは王子動物園のペリカンでハウラさんというんですが、今回出してる写真の中であれが一番古いんです。15~16年前の写真です。ですが、僕にとってはすごく、一つのきっかけのようになった写真で、あえて今回ここに持ってきたんです。
動物園の動物というのは、どうしても、人間が勝手にいろんな意味を被せがちです。やれ狭い檻に閉じこめて不幸であるとか。このハウラさんも繋がれてこそいませんが、飛べないように風切羽を切ってあるはずです。ですが、動物を擬人的に捉えることの危険というか、その動物が不幸かどうかなんて、実際人間にはわからないわけですよね。
この日もいつもおとなしいハウラさんが急にバタバタと狂ったように羽ばたき始めまして、なんか切なげに見えるんです。でも「切なげに見える」というのは擬人化ですから、本当のところはわからない。まぁ、何らかのストレスではあると思うんですが。
でもここで僕がシャッターを押したら、「切ないハウラ」が写ってしまう。「ハウラは不幸だ」と僕の写真が決定を下してしまうわけです。写真ってそういう怖さがありますよね。それで躊躇していたんですが、切なげに見えるというのとは別に、羽ばたくペリカンのフォルムの美しさに、どうしてもシャッターを押したい欲求もあるわけです。
結局悩んだ末に、写真を撮りました。
で、引き伸ばし機にかけて、現像液のバットから出てきたハウラの、長くて白い首の陰影を見た途端に、自分の写真にこんなこというのはアレなんですが、この首のトーンの美しさに自分でうっとりしてしまった。あとであっちの部屋のハウラの写真を見に行ってください。ハウラの擬人化された「不幸」が写るとか、そういう葛藤なんか消し飛んで、首の美しい鳥が豪快に羽ばたく写真、が出来てしまったわけです。
結局いろいろ悩んだけれど、悩んだ内容とは関係なしに、表面の美しさだけで写真が成立してしまう場合もある。それも写真の面白さだな、と気がついた、印象的な出来事でした。
この写真を見る人は動物園で飼われている動物の不幸という物語を読むのか、表面の美しさを見てくれるのか、見る人にお任せするしかないんですけども。

もう一枚はカマドウマの写真です。

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カマドウマ、田舎の暗い便所とかにいる陰気な虫です。別名便所コウロギ。
この虫が、僕は昔から怖くて怖くて仕方がなかった。あの固いんだか柔らかいんだかわからない体、羽がなかったり、眼が黒くて不気味だったり。この虫を見た僕の年齢とか精神状態とかシチュエーションとか、いろんなことがあるんでしょうけど、とにかくものすごい「恐怖」だった。カマウチという辞書があるなら、その辞書の「恐怖」の項目にはカマドウマの挿絵があるはずです。
僕は飲食店で長い間働いていたので、ゴキブリなんかも全然怖くないんです。他に怖い虫もない。なのに、大人になってもカマドウマだけは怖かった。なんかもう、理屈じゃないんです。ゾッとするんです。
ところが4~5年前ですか、職場の階段の踊り場に、なぜかこの虫がいたんです、ポツン、と。日の当たる、明るい踊り場です。はじめカマドウマだと気がつかなかった。ただの奇麗な虫、に見えました。ひょいとつまみ上げてみて、はじめてカマドウマだとわかった。
明るい場所で見ると、全然怖くないんです。僕は二十数年間、この虫の何が怖かったのか、さっぱりわからなくなった。
恐怖というのは人間の感情の中でも、すごく底の方から人格を底支えしているような、精神の奥深くに潜り込んで容易に取り除けないような、そんな思いこみがあったんですけど、明るい場所でカマドウマを見た途端に、あっけなく、それは「恐怖」の対象ではなくなった。ものすごく深層にある観念だと思っていたのが、実は恐怖というのは、ものすごく底の浅い位置にあるものじゃないのか、と、逆にそのことが衝撃で、軽くパニックのような感じになってしまった。自分の心の中で、なんか、すごい組み替えが起こったんですね。
そのパニックのさなかに、とりあえず、この虫を撮っておかなくちゃ、と思って、手近にあったカメラで、パチリとこのカマドウマを撮りました。それがあの写真です。

というわけで、あのカマドウマの写真には、今僕が長々と喋ってきた、長大な物語があるわけですけど、写真を見る人には、そんなのわからないですよね。説明書きを付けてるわけでもないし。
本当はこの話をする前に誰かにあのカマドウマの写真を見た感想を聞いておけば良かった、と思ってるんですが、もう喋っちゃいましたから仕方ないです。
このカマドウマの写真には、背後に、僕の独り善がりではあるけれど、そういう意味を背負ってるんです。それは見る人にはわかりっこない。わからなくても全然いいと思っています。
ただ、そんな詳細な物語はわからなくてもいいから、写真の水面下に沈んでいる、見えない底の部分が、写真の表面に、ちょこっと氷山の頭のように、ほんの少しでも出て、見る人が何かわからないながらも、ちょこっと何かを、少し不穏な何かを感じていただけたら、僕的にこの写真は「勝ち」だと思うんです。

そんな感じの写真です。あとでゆっくり、あちらで見てください。
ありがとうございました。


  1. 2010/12/26(日) 07:50:00|
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TANTOTEMPO pure vol.3 出展者のトークセッション

本日最終日です。
『TANTOTEMPO pure vol.3』(タントテンポ/神戸・元町)
http://tantotempo.jp/contents/index.html

昨晩は出展者によるトークセッション&クリスマスパーティがありました。
Tさんが写真を撮ってくれてましたので(↓)こんな感じ。

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主にペリカン・ハウラの写真とカマドウマの写真の撮影エピソード(これ)を中心に、まぁ乱暴に略してしまうならば「独り善がりな写真も徹底すれば普遍を射抜くことが出来る、かもしれない」というような意味ことを話しました(ペリカン・ハウラの話は、また今度ここで書きます)。
動画記録も残してあるようなので、もし配信されることがあったらお知らせいたします。
他の方々のお話も面白く、ギャラリー・ディレクターのボサノヴァ演奏があったり、なかなか盛り上がった良いパーティーだったと思います。
ご来場下さった方々、ありがとうございました。

今日、もう一日あります。よろしくお願いいたします。


  1. 2010/12/26(日) 07:40:51|
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タントテンポ・レセプション/今年のカマウチ

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『TANTOTEMPO pure vol.3』、残るところ25日(土)26日(日)の二日です。
http://tantotempo.jp/contents/index.html

本日25日夕方5時からは、「写真のこれまで・これから」と題して参加写真家によるトークセッションがあります。僕も展示している写真について、これからの写真との関わり方について、いろんなお話が出来ると思います。

その後に忘年クリスマスパーティーを開催。どなた様も一品持ち寄りで参加できますので、ぜひぜひお越しください
(ギャラリー・ディレクターが何か演奏して歌う、とかいう噂ですが、風邪大丈夫なんでしょかね?)

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[カマウチが今年関わった展示]

1月『more limelight』展(ギャラリー・ライムライト)
3月 個展『重力と叙情』(ギャラリー・マゴット)
3月 ライムライトSP企画展『1/2叙情寫眞』(ギャラリー・ライムライト)
3~4月『Acru Photo Exhibition』(Acruギャラリー)
6月 一畳ギャラリー(金丸真)
8月『ナダール! ナダール!』(大阪ナダール)
8月『ポートフォリオ展 vol.3』(ブルーム・ギャラリー)
11月『ライムライト・イン・トーキョー』(トーテムポールフォトギャラリー)
11月『大ブロニカ』(ギャラリー・ライムライト)
12月『TANTOTEMPO pure vol.3』(タントテンポ)

大小合わせて10回。我ながらどうしたんだってくらいに出してますね。
ホームグラウンドのマゴットやライムライトだけでなく、色々な場所で出来たのが今年の収穫でした。




  1. 2010/12/25(土) 01:11:13|
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ギャラリー・マゴット『GRD』が凄い/丸田祥三氏敗訴

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ギャラリー・マゴットの「GRD」必見!
http://gallery.maggot-p.com/
川本亜矢、愛してる! ウツボの写真最高!(右の写真は不要だったのでは? 1枚で良かったのに)。
田住さんも 圧倒された。めちゃ悔しい。久々に他人の写真に嫉妬した。岩切さんは真ん中の縦二つ。プリントにも、撮影の丁寧さにも感心。

他の人の凄い写真を見ると自分の写真の「不自由さ」を呪いたくなる。
写真を撮り続けるということは「何を撮らないか」を選択していくことでもあるから、狭まっていくのは自然だけれど、たまにああいう凄いものを見て、過剰に狭まりすぎた口に揺り戻しをかけねばならない。
昨日田住さんの展示を見て歯噛みしたのは、実はデジタルカメラで、ああいう色調で撮ってみたいとちょっと企んでいたところで、先にやられたことと、しかも僕が企んでいた(漠然と頭の中にあった)ネタよりも、ずっとずっとハイレベルなものだったからだ。
ああいうのを見ると、はじめは悔しく思い、次には次第に笑いがこみ上げてくる。撮ったのが自分でなくても、こういう写真が世に出たという、そのこと自体の痛快さに嬉しくなる。写真ってやっぱりやめられないなぁと思う瞬間である。
いい写真を見て、悔しくなって、そのあと嬉しくなったあとには、なんか頭がじんじん痺れたようになる。その痺れが気持ちいい。

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丸田祥三氏が写真剽窃で小林伸一郎を訴えた裁判、丸田氏の請求棄却。
写真家の「ココロザシ」は裁判の争点にはならない。わかってはいたがやはり残念。
まぁ、丸田氏の果敢な食い下がりで小林側が出さずに済んだボロを出しまくってくれた(和解案の傲慢さとか)がせめてもの成果か。
Ustで中村うさぎさんも言っていたように、出版社相手にテキストの剽窃に限って戦えば勝てたかもしれないのになぁ。

写真家は何を写しているのかが問題ではない、被写体の後ろに何を見ているかが問題だ、という謂に照らしても、どちらの写真家が優れているかは自明。僕は断然丸田祥三氏を支持します。
(まぁ僕ごときが支持したところで屁の突っ張りにもならないが)












  1. 2010/12/22(水) 07:53:11|
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いろいろ

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会期折り返しの日曜日、神戸・元町、TANTOTEMPO pure vol.3展。
http://tantotempo.jp/contents/pure2010.html
額装写真やプリント(シート)の販売もしております。ギャラリースタッフに気軽にお問い合わせください。
来週日曜日(26日)までの開催です。
25日(土)17:00から、レセプション&クリスマスパーティーがあります。一品持ち寄りでどなたでも参加いただけます。出展作について、今後の活動について、いろいろお話できたらいいなと考えています。どうぞお越しください。

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来年1月23日(日)より2月5日(土)まで、ギャラリー・ライムライトで『Limelight in Tokyo 凱旋展』開催します。先だっての東京トーテムポール・フォトギャラリーでの展示がそのまま大阪へ巡回です。
ただし、僕の出展作は3月に開催する個展#02の予告編的なものだったので、個展間近なこの時期に同じものを、しかも同じギャラリーに出すのはどうかと考え、内容変更を考慮中です。

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その3月の個展、内容はもうほぼ決まっているにもかかわらず、タイトルが決まらず苦慮しています。最初から対象を絞って撮影していますし、全体の統一感もちゃんとあるのですが、それを短い言葉にまとめるのがとても難しい。早くDMも作りたいのになぁ・・・。


  1. 2010/12/19(日) 13:40:35|
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『TANTOTEMPO pure vol.3』

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『TANTOTEMPO pure vol.3』

神戸・元町の写真ギャラリー・タントテンポにて、本日より開催です。
http://tantotempo.jp/contents/index.html
12月11日(土)-26日(日)[水曜休廊]
<参加作家> 保坂昇寿 高橋あい 木村朗子 笠野泰照 カマウチヒデキ 臼井大貴 かわさきじろう

神戸では初の展示です。ちょっと懐かしい写真も出しています。ルミナリエのついでに、ぜひお立ち寄りください。
  1. 2010/12/11(土) 09:50:59|
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