OK,Darling. But What is Photograph?

カマウチヒデキ kamauchi hideki

OK,Darling. But What is Photograph? (2)

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モノクロ写真とは何か、という答えを、僕はまだ出せていません。
このデジタルのご時世に、なぜまだモノクロ写真なのか。

これは、考えれば考えるほど、自分に不利な答えしか出てこないのです。
自分の考える写真は、どう考えても、モノクロである意味がない。

モノクロであることに甘えているのではないか。
手仕事、とか、そういう響きのいい言葉で自分を騙しているのではないか。

保存性、というのも言い訳にすぎません。この顔料プリンターのある時代に。
バライタ紙の物質感、といったところで、それが唯一無二の選択肢であるとも思えません。
そして、物質的な質感だけで写真の良し悪しを語るのは嫌いだ、と常々言ってる手前、自分の中での整合性もとれません。

・・・・・・

自分の中ですでに予感としてあるのは、いつか遠からず、銀塩を捨ててデジタルカメラを持つようになるだろうということ。
感材がどうせ手に入らなくなるだろうから、というのもあります。
銀塩感材という「物質的」なものに対するノスタルジアだけで写真を撮っているのではない、という思いもあります。
同じことをデジタルカメラで出来ないわけがない。多少のプロセスと、気構えが違うだけではないか。

ならば今どうして銀塩で、しかもモノクロなのか。
写真の歴史に対する敬意であるのか。
昔からの技術に対する興味と憧憬?

液温と露光時間、コントラストフィルターや印画紙の号数で刻々と表情を変える銀画像の生き物のような姿に対する興味であり、それ以前に暗箱の中での光の受け渡しと結像のドラマの一番シンプルな結論であるモノクローム画に対する興味である。
また、そういった手仕事の技術、経験といったものが写真に何かを付与できるという思いこみ。

それは一面、たしかにあるだろうし、否定しないけれども、同時にそれが一面錯覚にすぎないのではという認識も、ちゃんとあるのです。

・・・・・・

そういう風に思いながらも、今はその答えを先延ばしにしている状況です。
もちろん、銀塩感材の歴史が終焉を迎えようとしているからです。

自分に必要であるかどうかは、今はわざと判断保留にしておくと決めました。単純に感材の違いであるという、それだけの意味からすれば、それが使えなくなるなら先に使っておけ、という、本論とはズレた理由からの枷をかけたことになります。

デジタルカメラでモノクロの写真を撮る意味を、少なくとも僕は見いだせません。デジタルカメラを使うようになれば、飯沢耕太郎がいうようにモノクロは一つの特殊表現という地位しか与えられなくなるでしょう。
特殊表現という地位に押し込められれば、余計に「モノクロである理由」が必要になります。

モノクロで写真を撮るという行為が背負ってきた意味をちゃんと解くことができないまま、感材がなくなるという外からの要因によってその存在が消えようとする。
その前に、少なくともモノクロ写真について考えることは必要だと思います。
そして考える時間は、どうやら今しかなさそうなのです。

これが僕が暗室でモノクロプリントを作る、今現在の理由です。
非常に消極的な理由に聞こえますか?

いずれ捨てなくてはならないことがわかっていて、そのための助走なのだ、とも言いくるめることが出来ます。
冷静なフリをして書いていますが、本当は胸が痛いのです。
胸が痛い理由も、写真の謎として問うていかねばならんのです。





  1. 2008/04/18(金) 01:08:42|
  2. 写真
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コメント

感傷やヒロイズムではなく

とても丁寧に、ひとつひとつ考えた跡を残されていて、
ことばがどれも、むやみに流れていないなあと思いました。
そして、自分でも不思議なのですが、
この文章を読んで、ちょっと感動しています。

わたしごときが言うべきことでも無いでしょうが、
「消極的な理由」かも知れませんけど、
「消極的」だからこそ「弱い」からこそ、
意義をもつことがあると思います。
これは感傷やヒロイズムや判官贔屓とか、
そんなつまらないレベルでの意義ではなく、
未だ見ぬ誰かに何事かを伝えるというレベルで、
きっと意義があるのだと思います。

本来、テクストと写真は交わらないし
交わらないで隙間があるからこそいいと思うのですが、
でも不思議なことに、この文章のおかげでわたしなりに、
ちょっとカマウチさんの写真の見方がわかった気がしました。

長文すいませんです。
  1. 2008/04/18(金) 03:54:36 |
  2. URL |
  3. どか #U7CTLDyk
  4. [ 編集]

さて。こちらにもレスをゾンビみたいにつけてみると(笑)
カマウチさんから怒られそうですが、最近細胞レベルで物事を解釈するとすっきりするなあと思います。今度は鼻毛じゃなくオナゴでたとえますが(笑)好きな理由って、挙げ連ねようとするとナンボでもこじつけであげられるし、また嫌いな理由も同じくだと思うんですよね。で、結局どうなんよ?って話ですが、女を好きになる理由って大きく分けて二つ無いかなあと思うんです。一つは「ああコイツみたいになりたい」的なもの。もう一つは「細胞レベルで好き」みたいな本能的なもの。この二つが同居するのが理想ですが(笑)

自分もカマウチさんほどの歴史は無いですが、モノクロ好きっす。好きってのは危うい。恋は盲目みたいな。なんでバランス取ろうと考える。単に色が無くてそれらしくみえるだけちゃうんけ?とか。月並みなところではこんなもんですが。でも、自分の場合恐らく細胞レベルで好きです。「妙にいい(よい)」みたいな。但し、好きってのだけで振り回されるていられるほど自分もヒマじゃないんで、振り回されてないかって考えます。時にあえて離れてみたりもします。

なんか書いてるとやっぱり、人間の本能的な行動に似てると思うし、支配されるよなあと。あげく俺は低能だなあと(笑)でも、本能的な部分に収斂しないことって、どれだけ人は理解できるんだろうとも思います。
  1. 2008/04/18(金) 09:56:35 |
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  3. shingai #R9kCICmI
  4. [ 編集]

どかさん

ふふふ。まぁ、このへんの文章を書こうと思ったのは、どかさんに対する資料提供というか。言語化できないっていうから(笑
ねらい打ちみたいなとこあるんですが、正直な話。

ぜひぜひ手厳しい批評をいただきたい。
あ、手厳しくなくてもいいけど。
でも容赦は不要。
  1. 2008/04/18(金) 10:45:37 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

shingaiさん

>細胞レベル

うおー。
shingaiさんって、ときどきとんでもないところから正解を引きずり降ろしてきますね。力業というか(笑
これだけ悩んで書いたことを、細胞レベル、の一言で終わらせますか。
いやー、まいったなぁ。

今、もの凄く納得しちゃってるんですけど。
いいのかなぁ。
  1. 2008/04/18(金) 10:56:16 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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「好き」か「嫌い」があるんならいいんじゃないでしょうか。
一番たちの悪いのは「どちらでもない」。
「好き」と「嫌い」は表裏一体なモノで、ある時何かのきっかけで「好き」が「嫌い」になるかもしれません。
でも「どちらでもない」なら興味がないわけで「好き」にも「嫌い」にもならない。
好きなものを好きなだけ出来る時にやるのが幸せかと。
今後、フィルムがなくなったときに思い出として妄想の世界に浸れるように。
  1. 2008/04/18(金) 14:23:02 |
  2. URL |
  3. lukin #-
  4. [ 編集]

どちらでもない、の意味がわからないんですけど。
どちらでもないのに写真撮ってる人、いるんですか?

あ、僕は仕事の写真は好きじゃないなぁ。
そういうことですかね?
  1. 2008/04/18(金) 15:37:04 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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だってえー。頭で考えたことって結局「律する」類の話でしょ??そんなことしたって、朝起きれば布団でナニが「こんにちは!」って言うし、夜は眠いし(笑)
  1. 2008/04/18(金) 16:09:04 |
  2. URL |
  3. shingai #R9kCICmI
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立派なカメラを持ってるのに撮らない人ですかね。
きっとコノ手の人たちに聞けば色々とメンドクサイ話しをしてくれるのかもしれません。
でも、集めるだけじゃ写真にならないし、フィルムも買って使わないとメーカーも作るの止めますよね。
売れないと商売にならいし。
カメラ好きと写真好きのどっちもありでしょうけどカメラは写真を撮るための機械ですから。

写真ってプリントするまででいいんでしょうか?

えぇ〜すいません、なんだか違う事になってきてますね。
書いてて自分でもなんだか解らなくなってきました(汗

モノクロで撮りたいのは子供です。
カラーよりモノクロの方がその時の思い出を詰め込める気がします。
でも、カラーでも撮ってます(笑
数年後に見直して見比べて、なんでモノクロ?ってな話しをしてるかもそれません。
  1. 2008/04/18(金) 17:25:07 |
  2. URL |
  3. lukin #-
  4. [ 編集]

ありがとうございます

あ、やっぱりそんな気がしてました(汗
> どかさんに対する資料提供

ありがとうございます、恐縮ですよー。

カマウチさんの、少なくともこの文章にあらわれている特徴は、
「丁寧に積み重ねられていく否定」ということなのかなと。

あれでもない、これでもない、
これかと思ったけどどうもちがう・・・
このある意味後ろ向きのスタイルは、
安易に解決にいたらないで根気よく、
他人から見ると淡々と、
でも本人はすごく集中して、
削除を続けていくという作業ですね。

砂金をより分けるためにザルを一生懸命洗い続けて、
いっこうに光る粒が見えてこないけれど、
それでもまだザルには泥が残っていて、
その泥が手に(写真の場合は目かも)伝える重さゆえに
つらい姿勢でザルを洗い続ける。

残余としての写真。

もしかしたらわたしの「残余」というのは、
カマウチさんの「謎」とは違うかもしれませんけど、
現時点でこんな風に思った次第です。

そしてこの残余の重みの貴重さを、
ちゃんとアウトプットに反映させられるところが、
カマウチさんのすごさかなあと。

(あんまりたいしたことゆってませんね・・・
 しかもこの最後の「反映」のプロセスこそが、
 肝なのに、・・・という感じです 恥
 まだまだ見続けなくてはいけないようです)
  1. 2008/04/18(金) 19:32:01 |
  2. URL |
  3. どか #U7CTLDyk
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布団でナニがこんにちわ!

って、最近あまりないな(笑
年だな。
そういう話ではないって?
  1. 2008/04/18(金) 23:42:50 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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lukinさん

>なんだか違う事になってきてますね。

そうですね。カメラ好きの人の話とか、どうでもいいですね。
なぜモノクロで写真を撮るのかを考えているのです。

>カラーよりモノクロの方がその時の思い出を詰め込める気がします。

錯覚ですよ。そんなの。
  1. 2008/04/18(金) 23:45:35 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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丁寧に積み重ねられていく否定

>どかさん

意気込みとしてはそうなのです。ずっとそう思っているのです。
ですがアウトプットに反映なんて、全然出来ていませんよ。
僕の写真なんて、否定したいはずの澱やらゴミやら演歌やら(笑)、雑念のカスだらけです。

特にモノクロで撮るときに、カスがいっぱい付着する気がするのです。
モノクロって、錯覚しやすいですからね。
わかっていながら、そういう錯覚を誘うような手癖を、平気で盛ったりもしてしまうんです。

ただ、否定しきったら、僕の写真なんて誰も見てくれなくなる。
僕も全部否定しきりたいわけではないらしい。

程度の問題、とはいえ、でもそういうコントロールって、効かせすぎると嘘になるんですよね。
否定を重ねた上に、shingaiさんの言うところの「細胞レベル」のものが滲み出すとか。
コントロールを破って出てくる呻き声とか。

(1)(2)の内容がすでにごっちゃになってますが、要するに、自分の写真に、自分がかけた枷を破って欲しいんですよね。

モノクロで撮る写真の意味を問う、ということは、ぶっちゃけ、そんな意味なんか突き破るようなモノクロ写真を撮ってみたいぞ、という野心でもあるわけで、なんつーか、枷をかけては枷を壊す。
なんかドMな心性から発しているのかもしれません(そんな結論かよ)

↑ いやぁ、どっちかっていうとSですけどね。本来は w

  1. 2008/04/19(土) 00:39:19 |
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  3. カマウチ #7HtI5gQY
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  1. 2008/04/20(日) 21:49:16 |
  2. |
  3. #
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上の鍵コメントの人へ

好きにも程度があるってことですよ。
僕は職業の写真に関しては、職業として、ちゃんと、持てる力を尽くして臨んでおりますよ。
技術職ですから。
面白い仕事も意に染まぬ仕事も、職業写真師としてね。

でも職業を職業である以上に惚れ込んでやらねばならない、というのは、ちょっと違うと思います。

  1. 2008/04/20(日) 23:12:44 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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  1. 2008/04/20(日) 23:44:02 |
  2. |
  3. #
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どうして鍵コメント?

僕の返信ばっかり載って、読んでる人わからなくなるじゃないですか。
非公開で意見を言いたいならメールでどうぞ。

ね、YIさん。(なーんだ○○○さんか)
  1. 2008/04/21(月) 00:22:37 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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でもモノクロはやっぱり好きです

うわぁ、イイなぁ、こんなモノクロ撮りたいんだよなぁ、
というズバリな写真です。
どうしても逆光は苦手です。
全体に白飛びしたカンジに仕上がっちゃいます。
こんな風に、モノクロなのに光を上手に捉えた写真が撮れたら、
ワタシにとってはゴールです(笑)

ワタシは写真のことなんて語れた立場じゃないですが、
モノクロは、嘘つけないです。
光と影の表現です。
人物も、いくらお化粧で色を盛っても、
モノクロだったら一緒です。
自分という材料でしか、表現できない気がします。

エラそうなことを言いました(-_-;)
  1. 2008/04/21(月) 11:21:08 |
  2. URL |
  3. kuzuha #-
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白飛びするのは

白飛びするのはレンズに余計な光が入るから。ま、逆光だと、そりゃ入りますよね。
一眼レフだとどれくらい余計な光が入ってるか、ある程度自分の目で見えるから、コントロールできますが、コンパクトカメラだと出たとこ勝負なので難しいですね。

>モノクロは、嘘つけないです。

でもね、モノクロは嘘つきだ、という風にも言えますよ(笑
色を殺しちゃうんだから。
一番の大敵は、「モノクロで撮ると、ある程度それらしく見えちゃう」ってことですね。
  1. 2008/04/21(月) 11:35:11 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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