OK,Darling. But What is Photograph?

カマウチヒデキ kamauchi hideki

澁澤龍彦『快楽主義の哲学』

shibusawa.jpg


↑無意味に澁澤龍彦ごっこなどしてみる。ヒマなんか俺は(笑)別に似てないし。



■澁澤龍彦『快楽主義の哲学』(文春文庫)

僕の高校時代といえば、もう澁澤龍彦、寺山修司、坂口安吾である。
もちろん他にも読んでるけど、強烈な爪痕を刻んだのはこの三人だろうか。

澁澤・寺山は、本当は僕よりももっと世代が上の人が熱狂したんだと思う。
寺山修司が死んだのは僕が高校に入学した年で、澁澤龍彦が死んだのは僕が二十歳の年。まさに彼らの最晩年に、僕の読書歴がぎりぎり滑り込んだみたいな形なのだ。

大学の学食前で煙草を吸っていたら、よく文学のことなどを語り合っていたクロサワ君が「おおカマウチ知ってるか。澁澤龍彦死んだぞ」とニュースを知らせてくれたのを覚えている。
すでにその頃は高校時代ほど熱心に読んでいたわけではないが(晩年の小説『高丘親王航海記』などがあまり面白く思えなかったこともあって)、それでもあれだけ高校時代に読み倒した人である。寂しく感じた。

以来20年、あまり読み返したことはなかったが、『快楽主義の哲学』(文春文庫)が古本屋に安く出ていたのでちょっと読んでみた。
元々がカッパブックスで出版された「一般」(?)読者向けの本だけに、いつもの澁澤龍彦よりも、かなりサービスがいい感じだ。ていうか良すぎだろ。
一般サラリーマンにもディオゲネスやサドやカザノヴァがわかるように(笑)。あ、別に笑うところじゃないか。いや、笑うとこだよ。

この本の初版が42年前に出たとき、世の澁澤ファンは憤慨した。澁澤龍彦ともあろうものがカッパブックス! しかも北鎌倉に家を建てるのに金が要るからだという噂も流れた(噂じゃなくて本当みたい)。

この本の過剰なわかりやすさは、まぁそういった事情による。が、最近もう一冊『エロティシズム』(中公文庫)を拾い読みしたときにも感じたのだが、なんだかちっとも昔感じた妖しいニオイがしないのだ。
高校時代に読みまくっただけに、完全に僕の土台の一部になってしまっているからなのか、世の中が進んで、澁澤龍彦ごときもはや「異端」でも何でもないからなのか。

寺山修司は風化しないが、澁澤龍彦はすでに歴史の彼方という感じ。
寂しいけれど、彼は役割を果たして退場したのだと考えたい。


  1. 2008/06/09(月) 01:03:14|
  2. 読書狂
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コメント

うしろに

ボルヘスが見えますね・・・。

寺山と坂口はつまみ食いしたことがありますけど、
澁澤さんは読んだことがありません。
こんど、また読んでみたいです。
  1. 2008/06/09(月) 05:34:30 |
  2. URL |
  3. どか #U7CTLDyk
  4. [ 編集]

そのボルヘスを知ったのも澁澤龍彦からだろうし、結果として彼の打った楔は僕の体の隅々にあるわけですが・・・・ううん、今となっては・・・・・あ、すくなくとも『高丘親王航海記』とか『うつろ舟』とか、小説には期待しない方がいいですよ(笑)
批評家としてはいいけど、実作者としてはいまいちなんだな〜。
『ドラコニア綺譚集』とか、ああいう博物誌的衒学本が面白いです。
  1. 2008/06/09(月) 07:10:55 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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澁澤==二十歳かぁ
ボクの場合、三島==十八歳だった。
でもそのときに三島に心酔してたわけぢゃなかったのだけれど、とにかくあの直後の2週間って、いまだに夢の中のような気がする。

『高丘〜〜』は、歩き回ることができなくなったら、もう一度ゆっくり読みたい。
  1. 2008/06/09(月) 12:40:22 |
  2. URL |
  3. まご #-
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三島は

くぐらずに来ました。これから読もうかな。あ、最近ネットで三島の生首は見ましたけどね。

『高丘』面白かったですか? 高校時代の僕には、なんか半端な気がしたんですが・・・今読むと面白いかも? 読んでみようかなぁ。
  1. 2008/06/09(月) 13:03:10 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
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えーっと、写真、かなり笑いました。
(誰もつっこまないんで)
あ、笑うところじゃなかったですか・・・
失礼しました。

私の場合、強烈な爪あとを残したのは、
金子光晴でした。
金子光晴ごっこは・・・・
難しいなあ。
  1. 2008/06/09(月) 21:54:38 |
  2. URL |
  3. えんどう #yl2HcnkM
  4. [ 編集]

澁澤龍彦も寺山修司も読んだことないから、乗っかれない・・・。

仕方ないから虎の威を借りて。

ワタシがカメラのことでお世話になっている青森のフジマキ氏は、
寺山修司と高校の同級生。
ピュリッツァーの沢田教一氏とも、旧知の仲だったそうで。

ちゃんちゃん♪
  1. 2008/06/10(火) 00:27:36 |
  2. URL |
  3. くずは #-
  4. [ 編集]

えんどうさん

はい、大笑いするところですが、誰も反応しないので、まさに澁澤龍彦も歴史の彼方か、と思っていたところでした。笑ってもらえないとやった甲斐がありません・・・
ありがとうございます。
金子光晴はたしかに難しいなぁ。
  1. 2008/06/10(火) 07:57:42 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

くずはさん

>寺山修司と高校の同級生

73歳ってことになりますね。へぇー。

てゆーか若者よ、寺山修司くらい読め。
  1. 2008/06/10(火) 09:41:29 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

わ・・・若者(汗)

興味、なくはないです、もちろん。
せっかくだから、読んでみるか。

どっから手をつけたらヨイでしょうか先生。
  1. 2008/06/10(火) 14:10:28 |
  2. URL |
  3. くずは #-
  4. [ 編集]

若者じゃないの?

角川文庫で出てるやつなら何でもいいんじゃない?
どれも入門向き。
  1. 2008/06/10(火) 14:46:25 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

くくっ。削除対象のまろです。こういうのは偏差値の低さが爆発します。
やめましょう。
カマウチさん人の批判するなら、自分のまわりにたかるハエを
払ってからってのも大事ですぜ。ちゃいます?
  1. 2008/06/10(火) 23:45:59 |
  2. URL |
  3. まろ #-
  4. [ 編集]

あんたなぁ。

いい加減、バラすよ。いいの?
J隊関連。アルファベット3文字の会社で働いてて、所在地は多摩のあたりで、その近所のネットカフェからコメント書いてて、でも住んでるのはC県。
以前2ちゃんでJ隊の暴露記事書いて削除食らったり、華々しい経歴の持ち主だね。
っていう推理なんですが。
本名言おか? 知ってるぜ。
なぁ、ほんといい加減にしろよ。
  1. 2008/06/11(水) 00:00:09 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

えらい、悪かったな
「自分のまわりにたかるハエ」にも満たないmaggotで

  1. 2008/06/11(水) 02:20:56 |
  2. URL |
  3. まご #-
  4. [ 編集]

「ハツをハツしてハツハツとハツするハツに」

つ、つい つられて(^。^;)

読むのに、ある程度、年をとるのも必要なことってあると思うのです。
よく笑い話にしてるんだけれど、たとえば『雪国』
あんなもの中学生のときに文学史だかに出てくるからと
読んではみたけれどわかるわきゃねぇっての
「この指がおぼえている」なんて、いまの中学生なら、いざ知らず....(-。-;)

それで、よくよく考えてみれば、ボクの変節点となったのは、この前に沢渡朔のスチールだって話してた映画なのだが、その脚本は寺山だった。それがきっかけとなって散弾銃のように拡がっていったんだけど。

ついでに横に話に出てた角川文庫の「家出のすすめ」がころがってたので、ちょと引用。ここでも寺山は「十三歳のわたしにはいささか難解にすぎた」と、適正年齢を言ってるのです。ボクの大好きなくだりの一部です。

「ハツをハツしてハツハツとハツするハツに」

勝手に「まご」などに置き換えないように(爆)
  1. 2008/06/11(水) 03:20:18 |
  2. URL |
  3. まご #-
  4. [ 編集]

まろへ

言うまでもないことだが、僕の書いた文章の内容に対して批判的なことを書いて寄越したから怒ってるんじゃないぞ、○○○○。
相変わらず僕が誰か(今回は澁澤龍彦)に対して批評めいたことを書く、「そのこと自体」にあんたはイチャモンをつけてくるわけで、それがまったく馬鹿馬鹿しいっていうんだ。
『快楽主義の哲学』と『エロティシズム』と『ドラコニア綺譚集』をとりあえず読めよ。で、個別に僕と違う意見ならそう書けよ。そういう批判ならいくらでもいいよ。

偏差値の低さ? そういう言葉遣い自体が頭悪いってんだよ。
今回は本当に怒ってるからな。
二度と来るな。
まろとしても、○○○○としても。
  1. 2008/06/11(水) 09:16:14 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

しぶさわ

便所本にも一冊置いてるよ。
どちらかというとオリジナルよりサドの訳が好き。
あんなえげつない小説でも、澁澤に訳されて文学の極みに躍り出た感じです。あんな風に日本語を使われると、日本語っていい、日本人で良かったと思いました。でもやっぱり怖いから、こっちに相当パワーがあるときしか読めない....(>。<;)
パワーのある人間には敵がつきもの。歓迎しちゃいましょう。
  1. 2008/06/11(水) 09:46:06 |
  2. URL |
  3. たぬけ #-
  4. [ 編集]

『悪徳の栄え』ですな。典雅な訳ですよね。
今となっては、もっと直截な、バリバリのエロ訳で読みたいような気もしますが。
  1. 2008/06/11(水) 09:59:51 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

若者ではナイくずはです。
たとえワタシが主張しても、世間が許さない。
いや、ワタシも主張しないけど。
自覚が強すぎて(泣)

寺山修司、いま仕事抜けて買ってきたヨ。
角川に4冊しか無かった・・・。

『書を捨てよ 町に出よう』  何となく聞いたことがあるタイトルだったから
『寺山修司少女詩集』  詩も読んでみるか、と思ったから
江國香織『赤い長靴』  うっかり目に入ってしまったから
  1. 2008/06/11(水) 15:35:39 |
  2. URL |
  3. くずは #-
  4. [ 編集]

若者よ

なんで江國香織やねん、と思いつつ(笑
でも『きらきらひかる』『ホリーガーデン』『落下する夕方』『流しのしたの骨』『神様のボート』は好きですよ、江國香織。最近のはまったく読んでないけど。
(辻仁成の阿呆と組んだりしてから読まなくなった)
  1. 2008/06/11(水) 15:43:24 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

だから、若者って・・・(がっくし)

うん。
なんで江國香織やねん。

にしても、何でも読んでる人だなぁ。

ワタシも大学時代には、人生では一番読んだケド、
通勤で電車を使わない仕事に変わってからは、
まさしく活字からは遠ざかってしまった・・・。

長く遠ざかると、たまに読んでも、
スピードがかなり落ちてる → なかなか消化できない → 挫折

まぁ、早く読みゃイイってものじゃないけどね。

&ワタシは、一度読んだ本でも、一度観たドラマでも、
すぐに内容を忘れる(呆)
ミステリだって、何回でも読める。

おっ得〜〜$
  1. 2008/06/11(水) 16:06:07 |
  2. URL |
  3. くずは #-
  4. [ 編集]

あ、ぼくもすぐ忘れるよ。
記憶力いい人は可哀想やね。
  1. 2008/06/11(水) 20:23:03 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

ボクも思わず笑た

《阿呆と組んだ》赤いのも青いのも並行させて読んだ。
ガマンの子だった(どMの素質あり)。やっぱり50代のオヤジの読むものではないなと思った。読み終わって、速攻でヤフオクで売った。なぜか売れるのだった。
そして、そして、自虐的どMのつまりに、DVDも見たのだが、さすがに我慢できなかった。めらめらふつふつ

で、また挑発してる?ww


>たぬけさん
便所本は大事ですねぇ。トイレは貴重な読書タイムw
ちょい前は、松浦と笙野の「お毒味」置いてたんですが、テキトーに読んで、なんだかなぁと思いつつも、結構読んでしまいましたね。飽きてきたので、これまたヤフオクで売っぱらいました。


  1. 2008/06/12(木) 02:03:30 |
  2. URL |
  3. まご #-
  4. [ 編集]

あ、わたしも

カマウチさんが挙げた、江國作品は好きです。『神様のボート』は名作かと思いました。最近のは一切読んでないのも同じです。

『冷静と情熱』に浮かされた観光客が、何人もそのクライマックスの舞台になったフィレンツェの大聖堂の天蓋に落書きしてましたよ。最近は一掃されていまではハングルの落書きが一番多いですけど、かつては日本語のそれだったかと。

辻つながりで言うと、わたしはみぽりんショックがでかかったです(涙
  1. 2008/06/12(木) 03:47:09 |
  2. URL |
  3. どか #U7CTLDyk
  4. [ 編集]

まごさん

笙野って笙野頼子? 松浦って松浦寿輝? それとも松浦理英子?
笙野頼子って面白そうと思いながら読んだことがない。松浦理英子も。
寿輝ならグレン・グールドに関する短い評論で感動した覚えあり。でもそれしか知らない。
笙野頼子読んでみたいなぁ。
でもまず先に『高丘』再読ですね。高校生の自分の読解力を信用しちゃ駄目ですね、たしかに。
  1. 2008/06/12(木) 09:17:25 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

どかさん

みぽりんは僕はどうでもいいです(笑
竹中直人のアラーキー映画で陽子役やってて、まぁ見事に大根で、ただ例の陽子が船で胎児のような姿で眠るシーン、あそこだけ感動して、まぁ見て良かったかな、と思った記憶あり。

江國香織は、小説はあんなに面白いのに(最近のは知らないけど)、なんだったかエッセイ集を買ってみたら反吐が出そうなくらい面白くなくて、普通はあんな名小説書く人はエッセイも面白そうなもんなのに「なんでやねん!」と思いました。
雑文が面白くないというのは人間が面白くないってこと。彼女は「技術」だけであの小説を書けているのか!? それはそれで希有の才能だが(笑
  1. 2008/06/12(木) 09:25:30 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

江國香織はね、ワタシが感じたのは、『雰囲気作家』だな〜、みたいな。
文章の、全体の雰囲気作りがウマイとゆーか、
反対に、雰囲気でごまかしてる、とゆーか。
あんまりスキでもないんだけど、たまにその雰囲気の中に、たゆたいたくなる不思議。

スキなのはね、山本文緒。
カマさんなんかには、バッサ〜〜、と切り落とされそうだけど(汗)
  1. 2008/06/12(木) 10:03:12 |
  2. URL |
  3. くずは #-
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ラプンツェル

笙野頼子と松浦理英子。
笙野はともかく、松浦は親指Pの着想一発だけで、逆に気の毒な気がする。好きじゃないけどw

山本文緒は『眠れるラプンツェル』がすごく良かった。なのにだんだん売れる作家になっていくとつまらなくなって『恋愛中毒』でボク的に終了。きっと編集者が悪いんだろうな。
  1. 2008/06/12(木) 11:09:12 |
  2. URL |
  3. まご #-
  4. [ 編集]

くずはさん

山本文緒、読んだことない。
しかし・・・命知らずな若者やな。ほんま(笑
感心するわ。
江國香織を「雰囲気作家」で済ませたらあかんよ。
宿題出したるわ。
『流しのしたの骨』読んで感想文書いてこい。1000字くらいで。
期限2週間。
  1. 2008/06/12(木) 11:12:13 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

まごさん

『眠れるラプンツェル』ね。はい。次の次くらいに読みましょう。
  1. 2008/06/12(木) 11:13:19 |
  2. URL |
  3. カマウチ #7HtI5gQY
  4. [ 編集]

お〜、まごさん読んでる〜。
眠れるラプンツェルね、。・・・忘れた(笑)
あの人は、短編がスキかな〜。淡々感がスキ。

くすん・・・宿題出された。
それ、読んだことあるケド。・・・忘れた。
  1. 2008/06/12(木) 11:30:41 |
  2. URL |
  3. くずは #-
  4. [ 編集]

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