OK,Darling. But What is Photograph?

カマウチヒデキ kamauchi hideki

ゴルトベルク2

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最近物忘れが酷いので、ディテールはすっかりすっ飛んでしまっているのだが、昔、夏目漱石の『行人』を読んだときに、グールドの『ゴルトベルク変奏曲』を連想した。

グールドが夏目漱石のファンだった、という情報も先入観になったのかもしれない。
『行人』の登場人物の精神的な危うさ、足場の不確かさが、手を放すと離れてしまう凧のように思えて、糸の張力と遠心力のギリギリの均衡、というイメージが頭に浮かんだ。

グールドの、というか、バッハの『ゴルトベルク変奏曲』は、音楽の形式論的な話は僕はよくわからないのだけれど、メロディラインではなくベース音の下降パターンを基調にした変奏曲になっていて、短い変奏曲が三曲づつのセットになって形式の循環を繰り返していく。
テーマにあたる「アリア」、そのアリアのベース音を基調にした三十曲の変奏曲、そして最後にもう一度同じアリアで締める、という、全体の構成自体も円弧を描くように出来ている。

この「循環」とか「円弧」というイメージに、『行人』の「糸の張力と遠心力のギリギリの均衡」が重なって見えた。

松浦寿輝(だったかな)がどこかでグールドのゴルトベルクを評していた「究極のエキセントリック(中心離脱)」という一文が、実に見事にこの録音の凄さを表しているように思っていたので、

円弧 ー 循環 ー 均衡 ー 中心離脱

というキーワードの循環が出来てしまい、その輪の中に『行人』も『ゴルトベルク変奏曲』も綺麗にリンクしてしまった。

糸の張力と遠心力のギリギリの均衡、手を放すと離れてしまう凧、というイメージを追いながら、81年録音のグールド『ゴルトベルク変奏曲』を聴く。
追いながら、ではなくても、実際に鳴る音からは、ギリギリにコントロールされたた糸の張力のようなものがビンビン伝わってくる。

時折ピアノの背後に混入するグールドの「歌」(というか呻き声)が、その張力の均衡を破ってしまうような気がして、そこからかろうじて円弧に戻って来るスリルを味わいながら、「手を離れてしまいそうな糸」を手繰って変奏曲は進む。

推理小説のネタばらしのような話をすると、結局この糸は最後に手から離れてしまう。
グールドは81年録音盤で、最後のアリアの、まさに最後の最後、バッハの譜面を改変している。
最初のアリアと最後のアリアをよく聴き比べればわかるんだけど・・・・別に「答え」じゃないから書いてもいいか。
最後の一音に付せられる装飾音を、最後のアリアではハショっているのだ。

同じように装飾音を付けて弾けば、そのまま頭に戻って第一変奏に繋がる循環を描けるのに、グールドは装飾音のF#を省略していきなり最後のG音で突き放す。
循環が切られる。
手から糸が離れていく。

このCD発売の翌年にグールドは50歳で世を去る。
(デビューの『ゴルトベルク変奏曲』(1955)と最後の『ゴルトベルク変奏曲』(1981)でアリアとその変奏曲のように循環を閉じた、となれば綺麗に話がまとまるが、残念ながらというべきか、いやありがたいことに、最後の『ゴルトベルク変奏曲』のあとにブラームスの曲を録音している。)

グールド自身の手で循環は切られてしまったのに、僕はこの曲の輪の中に捕らわれてしまってすでに20年、いまだにグルグルと彼の手の糸に回されているみたいだ。




  1. 2008/08/12(火) 23:09:54|
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ゴルトベルク

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最近別の場所でキース・ジャレットの『バッハ/ゴルトベルク変奏曲』のネタを書いたので、それから思い出したように各種の『ゴルトベルク変奏曲』を聴いてみています。
僕のiPodの中には4種類のゴルトベルクが(笑
(1)55年のグールド・デビュー盤、(2)59年のグールド・ザルツブルグのライブ、(3)チェンバロのキース・ジャレット、(4)同じくチェンバロのレオンハルト。

もちろんこの曲は81年録音のグールド盤が白眉なんだけれど、あえてそれはiPodに入れない。
他の録音を聴きながら、結局それは81年盤グールドとの違いを楽しむために聴いてるんだと思いいたる。
それくらいに81年盤グールドが好きなのです。
好きならiPodに入れろよって? いやぁ。繰り返し聴きすぎて、ちょっとでも飽きを感じるのが怖いんだろうか。だから「間接的に」、他の演奏越しに聴く。ほとんど変態(苦笑

(昔、大阪・中崎町にある倶蘇陀麗というスパゲティ屋のクリームソースにベタハマりしていた頃、このクリームソースに飽きるのが怖くて、三回に一回は「敢えて」トマトソースを注文していた、というのに似てる?)

レオンハルトのチェンバロは、癖球いっぱい。テンポの崩し方や、茶目っ気さえ感じるフレージングが楽しい。バッハ研究の大御所でもあるレオンハルト、しかし演奏はけっこう自由で、かなり好き。

よく言えば端正、明快、悪く言えば素直すぎ、ピアノ弾きの弾くチェンバロだなぁと感じるのがキース・ジャレット。昔はすごく好きだったけど、聴き直してみたらちょっと食い足りなかった。
バッハにではなく、グールドに向いて演奏している気がする。

グールドの55年デビュー盤。当時の人はびっくりしたんだろうなぁ。こんなバッハなかっただろうし。
快速直球、第30変奏の、情緒を拒否する硬質のタッチに苦笑い。ちっとも甘えさせてくれないグールドの強情。

55年盤と似ているけれど、もっといいのが59年グールドのザルツブルグ・ライブ。各変奏を連ねて弾いているので55年盤よりさらに疾走感アップ&色艶プラス。これは素晴らしい。
が、終盤の29変奏でのミスタッチ連発は聴いていて胸が痛い。
他では聴けない、制御を失ったグールドの悲鳴的演奏(以後、ライブを拒否した気持ちもわかる)。
天国のグールドはどう思ってるんだろう。もちろん生前は発売されなかった音源。


・・・・・・

その昔、「ゴルトベルクのアリアをグールドそっくりに弾きたい」という理由だけでコルグの電子ピアノを買った(資金を調達するためにニュー・マミヤ6とレンズ3本セットを売り、後年激しく後悔した、というのは余談)→ ニューマミヤ6
そっくりかどうかはわからないが、とりあえず猛練習でアリアだけ弾けるようになった。でももう数年弾いていないので、多分もう無理だろうなぁ。
また練習しようかな。


  1. 2008/08/12(火) 01:01:00|
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「あじさい」と『ダリアの帯』

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実はあと5〜6日で到達しそうな、このブログの20万カウント。
20万カウント踏んだ人には、まぁ例によってカマウチの写真、どれでも好きなのをプリントして差し上げます、ということにしようと思ってます。
そんなもん要らんわっ! という人は注意深く避けて通って下さい。
欲しいという方は狙ってください。

メインサイト10万カウントを踏んで下さった某mさんには、1ヶ月以上かかりましたが、一応ちゃんとジャン=ピエールの写真、お送りしました。遅すぎだってば。すみませんでした某mさん。

・・・・・

誰かのブログを読んでたら山崎まさよしの「あじさい」って名曲よね、みたいなことが書いてあって、ああ、そういえばすごくいい曲だったなぁ、どんなだっけ、と思い出してみると、「雑種の犬を飼って散歩に出かけよう〜」まではいいとして、「雨上がりの道を〜、紫陽花数えながら〜、近くの・・・」と無限にメロディが下降していって止まらない(笑)
違う、何か僕は思い違いをしている! どこかで下降は止まるはずだ! と焦れば焦るほど、正しいメロディラインが思い出せない。
名曲だなぁ、と覚えてるわけだから(出だしの歌詞も覚えてたし)、昔は聴き込んだ曲のはずなのに、この記憶力のなさって怖いわ。さすが41歳。

家に帰るのももどかしくジュンク堂で『山崎まさよしギター弾き語り曲集』なんて本を探して譜面を読んでようやく正しいメロディラインを思い出す。
そうそう「近くの公園まで〜」で持ち直すんだった。無限下降してたら歌えなくなるって。

・・・・・

この曲って、なんか辛い出来事があって(子供を亡くした?)心を閉ざしてしまった、というか、多分精神的に壊れてしまった妻を気遣う歌だと思うんだけど、それで思い出すのが大島弓子の『ダリアの帯』。あれは凄い。切なすぎる。
「あじさい」を聴くと必ず『ダリアの帯』を読みたくなる。
で、読む。
やっぱり大島弓子は凄い、という結論で、山崎まさよしの歌は忘れられてしまう。
まぁ、仕方ないさ、まさやん。
大島弓子相手じゃね。




  1. 2008/06/14(土) 00:57:21|
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祝春一番2008初日

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大阪・緑地公園での『祝春一番2008』初日。
北川子さんが出演するので撮影隊で行ってきました。
早速写真でご紹介。デジカメって便利だなぁ(EOS kiss DX + EF70-200/4で撮影)。

今年は実姉のソネエミさんの琉舞とともに「鷲ぬ鳥(バスィヌトゥリ)」。八重山民謡の世界では、宴会、演奏会、すべてこの曲から始まるという、まぁ、言うなれば「国歌斉唱〜♪」みたいな曲ですね。
ソネエミさん、琉舞の師匠についてたった3ヶ月で仕込んでもらったそう。なかなかどうして堂に入った美しい舞でした。
八重山の国歌(?)といわれるくらい荘重な古典ですが、僕もこの曲大好きなのです。弾いたことないけど、僕もちょっと練習してみようかなぁ。

二曲目は「生まり島離り」。なんか意外な選曲でしたが、もちろん美しいチカ節を堪能。
「赤花」もやれ〜、と言いたかったけど、まぁ、いいとしましょう。たった10分、2曲のステージでしたが、本人いわく毎年ここのステージじゃ2曲10分が私の限界、なのだそうで、もっと増やしていいと言われているのにあえて2曲で緊密に演ってるとのこと。

他の出演者の分も、ついでに撮っといたんで、少しだけ紹介。
・・・いいのかな掲載して。ビッグネームはまずいかな。文句来たら消します。ええい、載せちゃえ!
左から金子マリ、近藤房之助、遠藤ミチロウ。

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近藤房之助57歳、遠藤ミチロウ58歳! うおおお! すげぇ、こんな老人になりたいぜ!
遠藤ミチロウ、シビレました。格好良すぎでした。
つい楽屋で握手までしてもらいましたが(カマウチ、ミーハー)、本人の顔面にカメラをつきつける勇気はなく、帰りの地下鉄では自分の意気地なさを呪っておりましたとさ。

しかし、年くったミュージシャンって、なんであんなかっこいい人多いんだろか。
何年か前にルー・リード観たときも思ったんだが・・・・とりあえず、もうちょっと痩せよう(苦笑)。
痩せりゃ人間かっこよくなるもんでもないわい、とは百も承知しつつ、この腹はいかん、この腹は。
とりあえず格好からね。中身はおいおい磨きますわい。


  1. 2008/05/02(金) 23:40:07|
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祝春一番2008に北川子出演します

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5月2日、北川子(きたがわ・ちか)さんが今年も『祝春一番2008』のステージに立ちます。
(写真は『祝春一番2006』出演時)

今回も専属カメラマンとして会場におります。
ヒナコも連れて行くかも知れません。
チカちゃん、カマウチ&ヒナコに会いたい人は緑地公園へ(笑

[カマウチ撮影・北川子ギャラリー]

『太田子 唄の宴 2003.12.7』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/chika0312/0000.html

『北川子 Live!』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/chika2/cc01.html

『赤花』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/akabanaa_h/00.html


[北川子CD『赤花』のページはこちら]
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/akabanaaCM.html
  1. 2008/04/26(土) 01:56:28|
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『警視庁草紙』/大村憲司/ペティ・ブーカ

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どうやら風邪は脱した模様。長かったー。
寝込むなんて何年ぶりだろうか。
山田風太郎がいっぱい読めたからいいではないか、なんていう問題ではない。
体は大事にしなければ。

山田風太郎『警視庁草紙』(上・下/ちくま文庫)読む。
面白かったけど、先に読んだ『地の果ての獄』や『幻燈辻馬車』に比べて百花繚乱絢爛豪華、いろんなものを詰め込みまくってゴージャスすぎる気がしないでもない。それでちょっと複雑になってついて行きそこねる部分もあり。
最後の大がかりなアレは、ちょっと、いくら山田風太郎でもどうだろう(笑)
山田浅右ェ門が腰を抜かして六人目の死刑囚の首の半分のところで刀が止まった、とか、笑えん、笑えん。
ネタばれするので詳しく書かないけど。

・・・・・・

『警視庁草紙』を読み終わってしまい、次の本を持ってなかったのでiPodをカバンの底から取り出す。
矢野顕子『愛がなくちゃね。』の中の、名作「悲しくてやりきれない」のアレンジに改めて感動。
原曲はもちろんサトウハチロー作詞加藤和彦作曲、フォーク・クルセイダーズ。
編曲坂本龍一&矢野顕子、途中ソロをとるギターは、クレジット上は曖昧だが、おそらく大村憲司だろう。この口数の少ないギターが泣けまくり。凄い。
奥田民生のもいいけど、数ある「悲しくてやりきれない」カヴァー史上、最高傑作はやっぱりこの矢野顕子だなぁ。
無論、矢野顕子の天才の所以だが、少なからず、大村憲司の功績でもある。

Petty Bookaの『ラジオの恋人』も久しぶりに聴いた。
ああペティ・ブーカ。どうして脱退してしまったのアサノさん。
アサノとブカちゃんのペティ・ブーカがもう一回聴きたいよー!
森山直太朗の姉じゃなくて(森山姉がアサノの代わりに入った「新生」ペティ・ブーカなど、わしは認めん!)
「Late Night Radio」「Mercedes Benz」「Material Girl」等々々、名曲揃い。バックのミュージシャンたちも絶品! Bravo!
なんか、また楽器弾きたくなってきた。


  1. 2008/04/13(日) 23:34:40|
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北川子ライブ情報 (11月上旬)

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北川子ライブのお知らせ 

11月3日(土)「CD発売記念民謡ディナーショー」
18:00 open / 19:00 start
<ゲスト> 松浦円一郎&藤田隆 ( from 誰がカバやねんロックンロールショー)
1Drinkお食事付¥3000
ライブとうどん「どない屋」
滋賀県大津市浜大津2-5-8/077-521-7699


11月11日(日)投げ銭ソロライブ「民謡アワー」
17:00 open / 19:00 start
宮里ひろし’s Bar「ヘブンヒル」
大阪市北区堂山町7-18-3F /06-6315-7776



11月下旬以降の予定は決まり次第またここでお知らせいたします。







  1. 2007/10/10(水) 14:03:11|
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北川子ライブ in 夢屋LOOP139 2007.9.1

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先日(9月1日)行われた北川子ライブ(夢屋LOOP139)の模様をフリッカーにアップしました。
来週8日(土)もありますよー。ぜひぜひ。

http://www.flickr.com/photos/kamauchi/sets/72157601862317931/show/
  1. 2007/09/05(水) 00:06:57|
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北川 子『赤花』完成記念ライブ!

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北川 子 1stシングルCD『赤花』完成記念ライブ、急遽決定!

ギャラリー&BAR「夢家LOOP139」
 大阪市天王寺区勝山4-1-10 Loft No139(営業/金・土のみ)
 090-4769-0865 JR環状線桃谷〜寺田町間高架倉庫139番

9月1日(土)、8日(土) 18:30 open 19:30 start
投げ銭(チャージなし)

CDを買って下さった方も、まだの方も『赤花』がナマで聴けますよっ! ぜひぜひ!


・・・・・・・・・

それと、『赤花』のCD(600円)が買えるお店、現在の所、下記3件です。

(1)上記、ギャラリー&BAR「夢家LOOP139」

(2)大阪・扇町 沖縄料理「てぃーあんだ」 

大阪市北区末広町3−22 TEL 06−6363−8070
17:30〜1:00 水曜日/第2火曜日定休
http://www.be-ing.jp/~t-under/

(3)大阪・北区ショットバー「Heaven HiLL」

大阪市北区堂山町7-18 伊勢屋ビル3F TEL 06-6315-7776
18:00〜2:00 火曜日、祝祭日定休
http://heavenhill.hp.infoseek.co.jp/index.html

(4)遠方で(遠方でなくても)郵送ご希望の方はカマウチが取り次ぎいたします。
kamaneko@kpb.biglobe.ne.jp に「CD」とタイトルをつけてメールして下さい。詳しい案内を返信致します。
(CD代600円に送料160円の計760円、それと振込手数料をご負担いただくことになります)


  1. 2007/08/27(月) 00:04:55|
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『赤花』讃

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内地の人間でも知ってる沖縄民謡と言えば?

まず名前が挙がるのは「安里屋ゆんた」だろうが、竹富島のクヤマという美しい娘が役人や地主の求愛をソデにして島の男と一緒になるというストーリー(役人と結婚して成り上がるのが元々、という説もあり)の長い元歌はともかく、「嬉し恥ずかし浮き名を立てて・・・」という日本語詞の「安里屋ゆんた」の良さは、僕にはさっぱりわからない。

次に挙がるのは「てぃんさぐぬ花」だろう。

「てぃんさぐぬ花は爪先に染みてぃ親の寄事や肝に染みり」
鳳仙花の花は爪先に染めて親の教えは心に染めなさい

「夜走らす船やにぬふぁ星目当てぃ我ん産ちぇる親や我んどぅ目当てぃ」
夜航行する船は北極星を見ている。あなたの親はあなたをずっと見ている

まぁバリバリの教訓歌なのだが、我々ヤマチンチュは耳で聞いてダイレクトに言葉が刺さってくるわけではなく「翻訳」というフィルターがかかるので、教訓歌だろうが何だろうが言葉の響きの美しさがまず先に来て、意味はあまり考えなくても聴くことができる。
特に「夜走らす・・・」の歌詞が僕は大好きだ。ちなみに音で書くとこうなる。
「ゆるはらすふにや にぬふぁぶしみあてぃ わんなちぇるうやや わんどぅみあてぃ」
もうぞくぞくするほど美しい歌だ。

しかし北川子(きたがわ・ちか)さんは沖縄出身の両親を持つ、いわばネイティブである。自身は大阪で生まれたが、両親が話すウチナーグチを聞いて育っているので、「てぃんさぐぬ花」は、まさにそのままの意味で彼女の耳に入ってくる。

昔まだ彼女がお母さんの経営する沖縄料理屋で、今みたいに本格的にではなく、店を手伝いながら手が空いたら三線をとって唄ってたようなときに、「てぃんさぐぬ花」だけは唄えない、と言っていたのを思い出す。
教訓歌だから嫌だ、というのではない。まったく逆の理由だった。
「親へのありがとうってことを、そんなに簡単に唄われへんねん。相当に覚悟のいる唄やねん」

そんなチカさんなので、ライブでも「てぃんさぐぬ花」を唄うことはなかった。
が、ある時から「てぃんさぐぬ花」に宮里ひろしさんという大阪在住のフォークシンガーが別の歌詞を乗せた「赤花」という曲をとりあげるようになった。

「赤花が咲いた 都会の片隅 遠い遠い親の 島に咲く」

両親の育った島の花(赤花=ハイビスカス)を自分の育った都会の一隅で見つけて、それをよすがに親への思いを唄うというこの曲に、チカさんはひとつの答えを見つけたのだろう。
僕は全部のライブを見ているわけではないので断言はできないが、たぶん初めてチカさんがこの曲をステージに乗せたときに、僕は脇から彼女の写真を撮っていたのだが、思わず自分の仕事なんか忘れてしまって聴きこんでしまったし、他の観客もスッと水を打ったように引き込まれていくのがわかった。
ある種異様な緊張状態で客は聴き入り、チカさんもいつも以上に気持ちの乗った声で唄いきった。
背骨が震えるほど感動した。

後日、この唄の作詞をした宮里ひろしさんが「もう『赤花』はチカちゃんにあげるよ」と、言ってくれたらしい。自分はもう唄わない、と。
はじめてCDを作るというのでどの曲を選ぶのかな、と思っていたら、この『赤花』だというので嬉しかった。CD製作に写真で参加できるというのももちろん光栄な話。

・・・・・・・・・

もし聴いてみたいという方があればメールを下さい。600円(送料別)でお送りします。

kamaneko[at]kpb.biglobe.ne.jp [at]を@に変えてコピペして下さい。
メールのタイトルは「CD」でお願いします。

自分が関わったから、というのではないです。いちファンとして、多くの人に聴いて欲しい。あ、このCD売れても僕には一円もマージン入りませんので念のため(笑)


[カマウチ撮影・北川子ギャラリー]

『太田子 唄の宴 2003.12.7』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/chika0312/0000.html

『北川子 Live!』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/chika2/cc01.html

『赤花』
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/akabanaa_h/00.html


[北川子CD『赤花』のページはこちら]
http://www7a.biglobe.ne.jp/~kamauchinet/akabanaaCM.html

  1. 2007/08/14(火) 12:33:24|
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